人事制度策定・構築コンサルティング
人事制度策定・構築コンサルティングの概要
人事制度改革は、単に給与や賞与の決定方法を変えることではありません。人事という観点から企業体質を強化し、経営戦略や企業理念を実現するための経営施策のひとつです。業績に連動した人件費コントロールを実現し、ならびに社員各人の仕事の期待成果や期待行動に応じた人事評価をおこなうことで、経営・組織課題の解決のための人事制度コンサルティングを行います。
人事戦略研究所がご支援する人事制度コンサルティングの領域は、等級制度、人事評価制度、賃金制度(給与制度、賞与制度)に留まりません。モチベーション調査・マネジメント、要員・総額人件費管理、退職金制度、定年延長・定年再雇用制度、限定社員制度、契約社員・パート社員制度(同一労働・同一賃金対応)、役員報酬制度など、人事制度トータルでコンサルティングを行える体制を整えています。
等級制度 | 社員を能力や役割を軸にランク(等級)分けするしくみです。各等級に求められる要件や昇格(等級アップ)ルールなどを設定します。役職制度や専門職制度なども同時に検討することになります。 |
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評価制度 | 社員を評価するための業績評価基準やプロセス評価基準のほか、評価決定のための調整ルール、フィードバック手順などを設定します。目標管理なども人事評価制度の中で検討されることが多いです。 |
賃金制度 | 給与制度(基本給と諸手当)、賞与制度、退職金制度のほか、報奨金制度など金銭で支給される処遇制度です。等級・役職や評価結果の他、会社業績、勤続年数、家族構成といった様々な要素をどのように反映させるかを検討することになります。 |
人事・賃金制度改定のステップ
人事・賃金制度改定に向けた標準的な実施ステップ・実施概要は、以下のようになります。会社の人事課題に応じて、周辺制度(退職金制度、定年再雇用制度、パート社員制度など)の改定も並行して行います。
Step1 現状分析 | 定量分析、定性分析を入念に行い、現状を客観的に整理・分析します。 |
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Step2 方針策定 | 経営方針、現状分析をもとに、人事制度改定の方向性を検討します。 |
Step3 詳細設計 | 制度案策定、移行シミュレーションを行い、新人事制度を構築します。 |
Step4 導入支援 | 社員説明資料の作成、説明会の実施など、制度導入支援を行います。 |
人事制度コンサルティング スケジュール
人事制度改定は、通常1年程度のスケジュールで行いますが、部分改定や小規模企業の場合には、半年程度で行うこともあります。以下に、1年間で実施するパターンのスケジュール例を示します。
会社内のプロジェクトメンバーを選定いただき、弊社コンサルタントとのプロジェクト会議や個別ヒアリングなどを組み合わせ、推進します。
現状分析・方針策定
現状分析では、定量分析(人件費、賃金水準、人員など)と定性分析(経営方針、社員意識、現行規程・制度など)を行います。定量分析では、「近年の推移」や「同業・同規模企業他社比較」のほか、「社内バランス」「近未来シミュレーション」などを行います。定性分析では、人事諸規程や現行人事制度資料の整理・分析に加え、経営陣ヒアリング、社員アンケート、社員ヒアリング、人事部門ヒアリングなど、各社に応じた方式を協議の上で実施します。
グラフ化や一覧表化を行うことで、経営陣や人事部門の皆様が、自社の現状を明確に理解しやすい現状分析資料を作成します。
現状分析で人事組織課題を明らかにし、経営陣やプロジェクトメンバーと、人事制度改定の方針を検討します。この人事制度改定方針が極めて重要で、具体的な制度構築のための設計図ともなるものです。職種別・等級制度(昇進・昇格制度)
- 業種・業態、企業規模に応じた『等級フレーム』を設計することで、キャリアパスを明確にします。
- 部門、職種、等級(職位)ランクごとに求められる期待役割基準を整備することで、社員ごとの役割や責任を明確にします。
- また、経験年数、試験、面接など、昇格のための決定手順やルールを設定することで、社員からの透明性を高めます。
等級制度には、社員の能力をベースとした職能等級、組織の仕事をベースとした職務等級や役割等級に分類されます。これまで日本企業は職能等級が中心でしたが、昨今は大手企業を中心にジョブ型人事である職務等級や役割等級が増加傾向にあります。非管理職は職能等級、管理職は職務等級や役割等級ということも可能ですので、会社方針に合ったしくみをご提案いたします。
また、勤務地や職種区分によるコース別人事や、専門職制度なども、等級フレームを設計する際に検討します。
「等級基準」については、職能等級であっても職種別の設定を検討します。同じ等級であっても、職種によって等級ごとに求められる期待成果や期待行動・スキルは大きく異なるからです。職種別・人事評価制度(人事考課制度)
- 職種・階層ごとの『成果・業績評価基準』『職務プロセス評価基準』を設計することで、期待役割に応じた人事評価を行います。
- 人事評価基準に、経営・部門方針や重点施策を反映させることで、経営課題解決と人材育成につなげます。
- 人事評価の調整・決定プロセスを改善し、評価者研修を実施することで、公平で納得性の高い評価システムを実現します。
評価基準についても、基本的に職種別で検討します。目標管理による評価などは、全職種共通の基準でもよいのですが、全職種・全階層とも目標管理評価が適切かどうかは、十分に議論しなければなりません。たとえば、営業職や企画職は目標管理による評価を導入するものの、製造職や一般事務職は定性評価(仕事のスピードや正確さなどを定性的に判定)を行うことが有効なケースもあります。
職種別の評価項目例
職種 | 成果・業績評価項目例 | 職務プロセス評価例 |
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営業職 | チーム売上高・粗利益達成率 個人売上高・粗利益達成率 新規開拓件数 など業績評価 | 市場情報収集、キーマン管理、 プレゼンテーション力、商談力、 後輩指導、コスト意識 ・・・ |
技術職 | 新商品・商品改良テーマを中心とする目標管理評価 | 新商品企画提案、関係先対応、 営業支援、チームワーク ・・・ |
製造職 | 仕事の正確さ、仕事のスピード、 仕事の品質など定性評価 | 生産機械操作力、生産管理知識、 協力姿勢、業務改善 ・・・ |
総務経理職 | 部門テーマ、業務テーマを中心とする目標管理評価 | 納期管理、専門業務知識、 コスト削減、顧客対応 ・・・ |
給与制度
- 経営方針・人事方針に沿って、貴社にとって最適な給与制度をご提案いたします。
- 業界や職種ごとの賃金水準や外部競争力を勘案して設計を行います。
- 『評価連動型給与制度』『職種別賃金制度』などのノウハウにより、総額人件費抑制下でも優秀人材への重点配分を実現します。
賞与制度
- 『業績連動型賞与制度』を導入することで、企業収益に応じた人件費コントロールを実現します。
- 人事評価を反映し、よりメリハリのある個別賞与決定基準とすることで、貢献度の高い人材への重点配分を実現します。
導入支援
- 新人事制度案に基づき、入念な導入シミュレーションを行うことで、人件費・個別給与増減状況に応じた移行措置を設定します。新制度におけるランニングコストについても一定条件のもと試算を行い、人件費が高騰しないよう十分に配慮します。
- シンプルで分かりやすい社員向け説明用資料を作成し、社員説明会の代行も行います。
- 必要に応じて、新制度に対する社員アンケート実施、社員質問に対するQ&Aの作成、社員向け個別通知書の作成など、制度導入をスムーズに行うためのご支援も行います。
柔軟なご支援スタイル
- 企業規模、改定テーマ、社内体制などにより、御社に最適なスケジュールをご提示します。
- 企業内の策定プロジェクト推進についても、御社の組織体制を考慮し、メンバー構成や役割分 担などを協議します。
- 弊社のご支援スタイルとして、 a.資料作成など代行も含めたコンサルティング支援 b.貴社策定メンバーへのアドバイザリー支援 の2パターンがあり、企業の取組み方針やご予算に応じた支援プランをご提案いたします。
人事戦略研究所をご活用いただくメリット
弊社人事戦略研究所をご活用いただくことにより、顧客企業様には以下のようなメリットがあります。
Ⅰ.豊富なコンサルティング経験の反映
- 弊社では、これまでに1,000社を超える人事コンサルティングを行って参りました。その中には、貴社に近い業種・業態のお客様、近い規模のお客様、近い問題を抱えたお客様が含まれており、事例も豊富に有しております。
- これらの経験を活かし、貴社がイメージしておられる制度改定の方向性に沿った具体策がご提案でき、より精度の高い人事制度が構築できます。
Ⅱ.顧客ニーズや実状に即した柔軟かつ高度な設計・プロセス
- 弊社では、特定の解決フレームを顧客企業様に押し付けることは致しません。保有するノウハウや過去事例は最大限に活用しつつも、高度な専門性と設計力を駆使することを通じて、顧客企業様のニーズ・実状を最大限に踏まえた柔軟な制度設計を行います。
- また、設計プロセスにおいては、密なコミュニケーションを重視し、より納得感のいくプロセスデザインを行います。
Ⅲ.実行及び定着までのトータルコンサルティングの提供
- どんなに素晴らしい人事制度を策定しても、スムーズに導入・定着・運用されなければ、意味がありません。弊社では、人事制度の仕組みを立案・設計するだけではなく、実行及び定着までの総合的な支援サービスをご提供しております。