ジョブ型人事制度構築コンサルティング
ジョブ型人事制度構築コンサルティングの概要
「ジョブ型人事制度」の導入を考えるにあたっては、単に”従来の能力主義(年功型)人事制度から仕組みだけを変更・改定することだ”、と捉えるのでは不十分です。なぜなら、「ジョブ型」と「能力主義(年功型)」とでは、人事機能的な各種ルールが異なるだけでなく、処遇に対する根本的な考え方が異なるからです。したがって、制度の背後にある本質的な考え方の差異を踏まえた検討、つまり自社における中長期的な人材マネジメント(採用・育成・配置・代謝 等)のあり方まで含めた検討が、本来的には必要になります。
ジョブ型人事制度の概要
ご支援のイメージ
①職務分析
ジョブ型人事制度の本質が「仕事の価値に対して賃金を支払う」である以上、まずは仕事(=職務)の内容・レベルを定義する必要があります。この作業を「職務分析(&職務評価)」と呼びます。一般的には、職種・部署ごとに対象となる職務を洗い出し、一つ一つの職務について「どのような仕事内容/レベルか」を明確にした後、その結果を職務記述書(ジョブディスクリプション)として文書化します。また、作成した職務記述書に基づいて、各仕事の価値(対社外・対社内)を評価・設定します。
職務記述書(ジョブディスクリプション)サンプル例
営業部⾧ | ||
役割責任・ 期待成果 |
経営戦略に資する営業戦略を策定するとともに、その実現に向けて社内外の環境変化に対応した営業関連業務と進捗管理を行う。 また、営業関連のオペレーション業務を統括する |
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業務内容詳細 | 1.営業戦略策定・推進 | □適切な経営戦略の策定にあたり、外部・内部環境を正確に分析する □経営戦略と経営方針に資する営業戦略を策定する |
2.営業計画策定・推進 | □全社の営業目標・計画を立案する □営業目標の達成に向け、実現性の高い具体策を設定する |
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3.要員計画策定・推進 | □最適要員を規定し、それを実現するための要員計画を立案・推進する □組織開発施策を人事部と企画立案し、実行する |
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4.目標達成 | □全店の目標を達成すべく、支店⾧・課⾧を指揮する □大型の先行投資案件について正しい決済を行う |
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5.営業活動 | □全社レベルの大口顧客の新規開拓を行う □大口取引先と関係構築を行い、契約を維持・拡大する |
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6.・・・・・・・・ | □・・・・・・・・・・・ | |
求められる経験 1または2 |
1.営業 | □上記1~5について、合わせて3年以上の実務かマネジメント |
2.管理 | □5名以上の部下を5年以上マネジメント | |
求められる スキル・知識 全て必須 |
1.情報収集・分析 | □市場や法律に関する知識・情報 □競合の商品サービス・動向に関する情報 |
2.商品化 | □市場ニーズと競合商品・サービスを踏まえた自社商品の開発提案 □新商品・サービス開発時の拡販 |
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3.人材マネジメント | □採用、配置、育成、外注、代謝における基本的な知識・技術 □人心掌握の施策に関するスキル・知識 |
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4.法対応 | □チャンスを最大化しつつ、リスクを抑えるための法対応 □前記が社内で難しい場合は、社労士等、必要な外部人材と実現 |
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5.・・・・・・・・ | □・・・・・・・・・・・ | |
期待される 特性・行動 |
1.計数処理力 | □各数値が表す意味を理解して、顧客の要望と提供価格を調整する □自身と各社員の工数を把握して、品質・コスト・納期を調整する |
2.レジリエンス | □困難な状況へもしなやかに対応し、売上・利益の向上へ貢献する □トラブルがあっても立ち直り、周囲も立ち直らせる |
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3.プロセス定義 | □営業現場で何をしなければならないか、伝わる仕掛けを作る □社員が特性を発揮し、連携し、成果を上げる仕組みを作る |
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4.達成志向性 | □目標を達成するまで、打ち手を尽くして挑戦する □部下の特性に合わせた助言・鼓舞を行い、目標を達成させる |
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5.・・・・・・・・ | □・・・・・・・・・・・ |
②等級制度
職務分析によって明らかになった各仕事(職務)の価値・レベルに基づいて、職務等級の段階設定を行います。また、昇格・降格ルールについては、担当職務の変更によって等級も変動するという原則に沿った運用ルールを整備します。
なお、職務範囲が不明確かつ短期的に変化しやすい非管理職層には従来型の能力等級を採用し、管理職層のみ職務等級を採用することも検討します。
③賃金制度
ジョブ型の「仕事の価値に対して賃金を支払う」という考え方に基づき、各職務等級の基本給額はシングルレート(単一給)又は幅の狭いレンジレート(範囲給)で設計します。
なお、レンジレートの場合には、いわゆる「ゾーン別昇給方式」のように、ジョブ型に相応しい給与改定テーブル・ルールを適用することが基本になります。
一方、賞与については、担当職務における成果(実績)に応じて十分なメリハリがつく仕組みの導入を検討します。
基本給テーブル及び給与改定ルールの例
- 上記例では、同一の評価ランクであっても、基本給の金額(=ゾーン)によって昇給額が異なります。
- 上位ゾーンにいくほど、昇給が難しくなり、降給もありうる仕組みです。
- 理論上、標準評価を取り続けると、その等級のターゲット金額までは昇給していきます。
④評価制度
ジョブ型人事制度においては、仕事の成果は「担当職務で各期に果たすべき結果」と定義します。したがって、果たすべき成果が期によって変わる職務を担う社員(例:組織管理者、営業職)に対しては、目標達成度に基づく成果評価が原則となります。
また、成果に対する評価だけでは、社員が近視眼的な行動に走ってしまい、評価と人材育成が結びつかなくなる恐れもあるため、等級・職種ごとの期待能力・行動を評価する仕組み(能力評価、行動評価)の導入も検討します。
ジョブ型人事制度構築コンサルティングの流れ
Step1 現状分析 |
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Step2 方針策定 |
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Step3 職務分析・職務評価 (含む、職務記述書作成) |
※方針策定の前に実施するケースもあり
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Step4 詳細設計 (含む、外部報酬水準調査) |
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Step5 導入支援 |
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Step6 運用支援 (導入後) |
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コンサルティング費用、お見積り
コンサルティング費用、支援スケジュールについては、企業規模、取組内容、支援体制に応じてお見積り・ご提案させていただきます。