グループ企業(子会社・関連会社)向け人事制度コンサルティング
グループ企業ごとの人事制度構築の必要性
M&A や企業再編が進む中、子会社・関連会社をいかに成長させ、グループ全体として収益を上げていくかは、重要な経営課題となっています。子会社はかつてのような「親会社の中高年社員の受け皿」「人件費抑制の手段」ではなく、「収益力強化の一翼」としての存在が求められているのです。
一方で、子会社の成長に伴って親会社の下請け的な業務から抜け出し、独自の事業構造を確立したり、プロパー社員の比率を高めたりして、親会社との関係性が希薄になっていくこともあります。そもそも、グループ企業だからといって、同じような業種・職種というわけではなく、企業規模、組織や社員のあり方も異なります。このような違いがあるにもかかわらず、親会社の人事制度を子会社にそのまま当てはめるのは難しいでしょう。制 度が上手く運用されなかったり形骸化したりして、社員のモチベーションが低下してしまいかねません。同じグループであっても、各企業の状況に応じた人事制度を構築・運用していくのがベストです。
子会社独自の人事制度を構築した事例
<事例1>
消費財メーカーの子会社である倉庫・運送業が等級制度を変更した事例です。子会社は親会社と比べて社員数も管理職も少なく、管理職層5ランクを含む全9段階もある親会社の等級制度は重厚長大すぎました。そこで、管理職層を3ランクに留め、全体で7段階の等級制度としました。また、職種に応じてキャリア区分を設け、給与制度も職種別に設計しました。例えばドライバー職では、人材を確保するため、スタート時の給与は地域相場より高めに設定し、昇給ペースは緩やかにしました。
親会社と子会社で等級制度を分けた例
親会社(左)社員数2,000人 管理職層が比較的多く、役割も明確であった
子会社(右)社員数200人 管理職層が少ない組織体制であった
<事例2>
機械メーカーの子会社である金属部品メーカーが、賃金制度を変更した例です。きっかけは、親会社が管理職層の給与制度を実力主義的なものに改定したことでした。新制度を子会社にもそのまま当てはめると大幅な給与変動が生じることが判明したため、グループ方針を踏襲しながら、独自の制度を構築することになりました。親会社と同様に年齢給の要素は廃止しながらも、等級内の基本給決定方式を異なる設計にすることでスムーズな制度移行を可能にしています。ただし、人事評価基準を明確にして評価差がつきやすくしたため、数年かけて実力に見合った給与に改定されていくようになっています。
親会社と子会社で管理職層の賃金制度を分けた例
親会社(左)等級と評価に応じて、一定の給与額に毎年洗い替える
子会社(右)等級内の給与額に幅を設け、評価結果に応じて昇降給させる
このように、グループ企業間の関係性や企業規模、業種、組織、風土などの状況に応じて、柔軟な制度設計を図っていくことが重要です。
グループ企業の人事担当者勉強会
親会社としてグループ企業の支援をしたくても、1社ごとに対応すると、多大な時間と労力を要することになります。また、子会社・関連会社としても、単独で人事制度改定に取り組むには、情報やリソースが不足しがちです。
このような場合、「グループ企業(子会社・関連会社)の人事担当者向け勉強会」が効果的です。グループ企業を業態別や規模別などの観点でチーム分けし、人事テーマに沿った勉強会を開催します。人事担当者向け勉強会の企画、講師、コーディネーターについても、弊社コンサルタントがご支援いたします。
実施回数や時間、テーマなど、さまざまな勉強会の開催が可能ですので、お気軽にご相談ください。
グループ企業の人事担当者勉強会例1
人事制度構築勉強会 |
---|
1.自社の現状把握・分析 |
2.等級・役職制度、等級基準の検討 |
3.人事評価制度、評価基準の検討 |
4.給与・手当・賞与制度の検討 |
5.退職金・再雇用制度の検討 |
6.人事制度改定方針のまとめ |
グループ企業の人事担当者勉強会例2
人事トピックス研究会 |
---|
1.人事賃金制度のトレンド |
2.人事戦略・人事理念構築、浸透 |
3.働き方改革、生産性向上 |
4.同一労働同一賃金、無期転換 |
5.定年延長、シニア社員活用 |
6.役員報酬改革、執行役員制度 |
グループ企業(子会社・関連会社)向け人事コンサルティングの流れ
現状分析から導入まで、各社に合わせて業務設計いたします。
Step1 現状分析 |
現行制度の分析やヒアリング/アンケートを実施し、制度の特徴や問題点を明確にします。 |
---|---|
Step2 方針策定 |
現状分析の結果を基に、会社の理念や経営方針も踏まえて、制度改定の方針を策定します。 |
Step3 詳細設計 |
給与テーブルや賞与算出方式、人事評価の反映方法など、具体的な制度設計を行います。 |
Step4 導入・運用支援 |
賃金シミュレーションを行って、総額人件費や各社員の給与の増減が適正な範囲に収まるよう調整します。また、制度改定に伴う不利益変更にも配慮しながら、適切な移行措置を設定してスムーズな導入をサポートします。 |