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人事コンサルティング

定年再雇用・定年延長制度コンサルティング

1.シニア世代の継続雇用の現状

高齢化と生産年齢人口の減少が急速に進み、人手不足が深刻化する中、シニア世代を働く現場でいかに活用するかということは、企業にとって大きな課題となっています。内閣府の調査(2013年)によれば、65歳を超えても働きたいと考える人は約70%にのぼっており、潜在的な労働力を活用する余地は十分にあるといえます。
こうした状況を受けて、改正高年齢者雇用安定法により、65歳までの雇用を確保するために、以下のいずれかの措置を講じることが義務化されました。

  1. 定年の廃止
  2. 定年の段階的な引き上げ
  3. 希望者全員を対象とする継続雇用制度の導入

実態としては、約80%の企業が③の選択肢(いわゆる定年再雇用制度)を採っています。例えば、1年ごとに契約更新する嘱託社員として再雇用し、年収は一律で定年前の60~70%程度に抑えるというのが典型的なパターンです。しかし、このような「とりあえず雇用継続が第一、生産性は二の次」といった義務的感覚での対応によって、さまざまな課題が生じているのが現状です。

2.定年再雇用制度を取り巻く課題

中心的な課題は、再雇用後のモチベーションやモラールの低下です。会社側がやりがいのある仕事を用意できず、目標を持てないまま漫然と働き続けることはよくあります。役職を外れたにもかかわらず、以前の「管理する側」の意識を変えられず周囲と上手く協働できない人もいます。ここに賃金ダウンが拍車をかければ、職場全体に消極的なムードが蔓延するのも無理はないでしょう。

また、同一労働同一賃金に関連した法改正(2020年4月から施行、中小企業は2021年4月から施行)に対応していくことも課題です。今回の法改正では、雇用形態による不合理な待遇差を設けることが明確に禁止されます。したがって、再雇用後もまったく同じ仕事をしていながら「嘱託社員だから」賃金を下げるという場合、法律に抵触する可能性があります。加えて、今後は給与や賞与、手当などのそれぞれについて、待遇差が合理的と認められるか否かが判断されます。例えば、定年再雇用されたトラック運転手が起こした裁判では、賃金が20%程度引き下げられることには一定の合理性を認めながらも、精勤手当が支給されないことは不合理であるとの判決が下されました(最高裁、2018年6月1日)。

いずれにしても、再雇用した社員にいかに活躍・貢献してもらうかという明確なビジョンがないまま、単に「年収を下げるかわりに働き続けられます」という制度をあてはめている状態は望ましくありません。シニア人材の活用という本来の目的を果たすには程遠いばかりか、職場のモチベーション低下や無用な労務リスクを招きかねません。

3.「攻め」への再雇用制度への転換

先述のような、形式的に法律に対応しただけの「守り」の制度が含む問題点の本質は、定年で線引きをしてまったく異なる人事管理を行っていることです。定年を迎えても急に能力や成果が落ちるわけではありません。むしろ、経験・技能の伝承や人材育成など、シニア世代だからこそ力を発揮できる場面も数多くあります。社員にできる限りの組織貢献を果たしてもらいたいのは、定年前も定年後も変わりません。そのためには、個々人の能力や適性に応じた仕事内容と処遇を選択できる「攻め」の再雇用制度へと転換を図らなければなりません。

ポイントは、職務内容と賃金水準です。特に、職務内容の検討は、制度の設計以上に重要かつ難しいところですが、シニア人材が経験と能力を発揮でき、やりがいをもって働ける仕事を作っていく必要があります。賃金水準については、職務内容が変わるか否かに関わらず一律に下がるとなると、どうしても仕事に対する「割り切り」感が生じて、モチベーションダウンしがちになります。定年前に対する比率で決めるのではなく、定年後の役割や貢献に基づいて再設定すべきです。年功的要素を小さくして社員の現在価値に応じて賃金を変動させる仕組みは、定年前の社員の人事制度として普通に用いられています。再雇用者だからといってこれを適用しない理由はありません。

4.定年再雇用・定年延長制度設計の具体的な方法

社員の意向や能力に応じて選択できるよう、複数のキャリアコースを設けます。これによって、会社側にも経営環境や人員計画に応じたコントロールの余地を残すこともできるようになります。高年齢雇用安定法は、すべての希望者を65歳まで一律の条件で再雇用するよう義務付けているわけではありません。再雇用後の働きぶりによっては、契約更新時にコース変更することも可能です。社員の希望に配慮するのはもちろんですが、労使双方が個々の状況に最適な雇用形態を選べるようにしておくことが重要です。これには、今後定年を迎える社員が、将来プランをイメージしやすくなるという効果もあります。

定年再雇用後のコース設定例

再雇用
管理職として再雇用
(+高度専門職)
管理職(役職者)として残る場合は、通常フルタイム勤務よりも処遇面を高めに設定する。
フルタイム勤務で再雇用
過去の人事評価で標準以上、もしくは特別な技能や技術を持っている者が対象となる。
パート勤務で再雇用
再雇用基準はクリアーしたものの、過去の人事評価が標準を下回る者については、短時間勤務で再雇用する。

再雇用後の給与は定年前の水準をベースに一律○%といった形で決めるケースが多く見られます。しかし、定年前の給与は、あくまでそれまでの役割や貢献に見合って決定されたものです。再雇用によって求める能力や役割が変わるのであれば、定年までの役職、給与といった要素は一旦リセットして、再雇用時の状況に応じて決めなおすのが妥当といえます。賞与や等級の見直しも、再雇用後の人事評価に基づいて行うべきでしょう。  また、シニア社員特有の考慮事項として、高年齢者雇用継続給付金および在職老齢年金があります。社員ごとに受給要件を確認し、実際の手取り額と会社が支払うべき給与のバランスを調整するのは、手間はかかるものの重要な作業です。

シニア社員の給与・賞与制度の例

再雇用後の等級月額給与賞与ベース時給の場合
6等級300,000円年2ヶ月1,800円
5等級270,000円年2ヶ月1,600円
4等級240,000円年1.5ヶ月1,400円
3等級210,000円年1.5ヶ月1,200円
2等級180,000円年1ヶ月1,000円
1等級160,000円年1ヶ月900円

再雇用後の社員には目標管理や人事評価を行わない企業があります。しかし、定年前と役割が変わるにもかかわらず、それを目標や評価基準によって明確に伝えなければ、社員の緊張感や役割意識は希薄になり、モチベーションが低下してしまいます。シニア人材にこそ、どのような貢献を期待するのか明らかにして、達成度の確認や評価を行うべきです。さらに、評価を賃金だけではなく短期のインセンティブや表彰にも反映するなど、やる気や達成感を維持してもらう仕組みも検討が必要です。

シニア社員の人事評価制度の例

1.目標設定評価

今期取り組みテーマ達成目標と実行具体策ウェイト難易度自己
評価
一次
評価
一次
小計
<担当業務テーマ>1.00.0
<担当業務テーマ>1.00.0
<メンバー育成テーマ>1.00.0
100%になるように設定0%1.0評価点合計0.0

2.行動評価

半期の振り返り
(本人記入)
一次
評価
一次
小計
①新しい案件や非定常の案件にも、専門分野を通じて適切な判断を行い対処する
②適切に意思疎通を行い、部門に大きく貢献する
③高度で幅広い専門知識と、競争力あるスキルを発揮する
④他部署の関係者とも積極的にやり取りし、必要な情報を収集して業務を行う
⑤顧客のニーズ・満足を意識した提案を行い、標準以上の成果を挙げる
⑥担当業務および課メンバーの業務改善により、業務の効率化に努める

シニア社員の表彰・報奨制度の例

テーマ内容
永年勤続表彰定年再雇用後も勤続通算して、シニア社員も表彰対象とする。
技能伝承表彰社内講師やマニュアル作成など、技能伝承において、顕著な功績があったシニア社員を職場投票により表彰。
改善提案表彰ベテラン社員としての経験やノウハウを活用し、改善提案した件数や考課により表彰。
部門業績達成賞現役社員だけでなく、達成部門に所属するシニア社員も支給対象とする。
シニア起業支援制度シニア社員が起業する際、勤務時間の調整による継続勤務も可能とするほか、審査合格した企画については、会社が出資を行う。

定年再雇用・定年延長制度コンサルティングの流れ

現状分析から導入まで、各社に合わせて業務設計いたします。

Phase.1
現状分析
現行制度の分析やヒアリング/アンケートを実施し、制度の特徴や問題点を明確にします。
 
Phase.2
方針策定
現状分析の結果を基に、会社の理念や経営方針も踏まえて、制度改定の方針を策定します。
 
Phase.3
詳細設計
給与テーブルや賞与算出方式、人事評価の反映方法など、具体的な制度設計を行います。
 
Phase.4
導入・運用支援
賃金シミュレーションを行って、総額人件費や各社員の給与の増減が適正な範囲に収まるよう調整します。また、制度改定に伴う不利益変更にも配慮しながら、適切な移行措置を設定してスムーズな導入をサポートします。
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