目標管理 第6回 目標の具体的なイメージ
目標管理
これまで制度や仕組み、取り組みの方法論を見てきましたが、これから先の回は具体的なもの、実例などを見ながら達成のための方法を紹介していきます。
目標の前提となる目的は一旦おいておき、ここでは目標そのものに焦点を当てていくとしますと、目標とは『ある一定期間に成し遂げるべき成果(達成水準)を具体的に描いたもの』ともいえます。そして、これまで述べてきましたように育成、成長というキーワードを考えますと、単に目標の数値というだけでは目標管理の意義として寂しいものがあります。
そこで、目標を考える条件として、以下の2つの観点から目標のテーマや達成水準を設定することが大事です。
①業務そのものではなく業務を通して成し遂げることをイメージ
悪い例:Aさんに□□の装置の正しい操作方法を指導する。
い例:Aさんに□□の装置の正しい操作方法(メンテナンス方法)を指導することで、
Aさんが要するメンテナンス時間を半減(20分)させ、時間効率を上げる。
目標に業務そのもの、仕事そのものを挙げるケースも多いですが、それは単に自分がすべき業務を書いているだけで、
それだけではこれまで以上の成長や業績アップの取り組みとはなりません。
業務を通して成し遂げることをイメージします。
②抽象的な曖昧なものでなく、具体的結果イメージ
悪い例:○○の機械の操作ができるようになる。
良い例:○○の機械の正しい操作方法を習得することで、異常を発見でき、△月から毎月1件以上の改善策を上長に提案する。
例のようなものですと、どの水準で操作ができるのかが明確ではありません。操作ができるとはどういうことか、
直接的に判断できないようであれば、良い例のようにベテランとの差が出ている部分はどこか、というようなことを考え、具体的な結果を書けるようにすると目標設定面談の時も具体的アクションプランを立てやすくなります。
執筆者
佐藤 耕一
(人事戦略研究所 パートナーコンサルタント)
鉄道会社にて信号通信設備及びITシステムの設計業務を担当し、その後、教育事業会社で管理本部長として学習塾の運営と教育機関向け経営コンサルティング業務に携わる。前職では、電子部品メーカー系列のコンサルティングファームにて人事コンサルティング業務に携わるとともに、部長として同事業部門を率いる。国内外にて、中小企業から一部上場の大企業まで様々な規模を対象にし、あらゆる業種業態への人事諸制度の導入・運用実績がある。経営統合や分社化、経営破綻後人事、新設労働組合対応、海外法人、医療、介護、特殊法人など、豊富な事例と経験があり、特に運用に強みを持つ。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。
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