目標管理 第10回 自ら踏み込む

目標を達成するにあたっては、自らを律しながら決めたことをやる必要があります。しかし、そうはいってもやり続けること自体が難しかったり、どうしてもさぼりがちになったり、というときには、他人の力を借りる3つの方法を含む、以下の4つがありました。
①自ら踏み込む、②チェックを受ける、③ご褒美を用意する、④競争する、今回はこのうち、『 ①自ら踏み込む 』について、見てみましょう。

 

「自ら踏み込む」と難しそうなタイトルをつけていますが、実際に行うのは「記録をする」ことです。「踏み込む」とは、本来意識しなければならない目的意識や目標から目をそらして「手段」だけを見るように踏み込むといった意味合いです。
 記録をつけるのは、目標を決めた後に考えるアクションプラン(行動計画)などをやり続ける方法の1つです。何か行動をしようと決めたとき、その行動をしたかどうかを目に見える形で記録するのです。

 

例えば、受注目標の日々の累計を追うのではなく、訪問件数、電話件数などの手段について回数設定をしておいて、これを日々記録していくということになります。

 

この記録をつけていくという方法は、実は、人の心理をうまくついたものになります。たいていの人は多かれ少なかれ「集まっていく」「満たされていく」ことに対して、根源的な欲求があります。
逆に考えますと、「不足している」状態は、人間にとっては不安であるということでしょう。そういう意味では、記録をつけていく方法は、多くの人に対して有効な手段と言えます。
つまり、記録が埋まっていく、空いたところが気持ち悪くなる、コンプリートしたい、というような手段と目的を入れ替えることで、いつの間にか受注目標を達成していた、というようになるのです。

 

設定した行動自体があまり面白くないとか、やり続けるのはちょっと厳しいなと感じるときに、記録が途切れるのが嫌だとか、記録がたまっていくのが楽しいから行動する、という本末転倒のやり方なのです。
しかし、これをやり続けることで、お客様や上司に感謝されたり、会社や部門に貢献できることで喜びとなり、そのうち目的意識にたどりつくことができます。少々、遠回りになりますが、目標をなかなか達成できない人は試してみるとよいでしょう。

 

次回は、『 ②チェックを受ける 』について見てきます。

執筆者

佐藤 耕一 
(人事戦略研究所 パートナーコンサルタント)

鉄道会社にて信号通信設備及びITシステムの設計業務を担当し、その後、教育事業会社で管理本部長として学習塾の運営と教育機関向け経営コンサルティング業務に携わる。前職では、電子部品メーカー系列のコンサルティングファームにて人事コンサルティング業務に携わるとともに、部長として同事業部門を率いる。国内外にて、中小企業から一部上場の大企業まで様々な規模を対象にし、あらゆる業種業態への人事諸制度の導入・運用実績がある。経営統合や分社化、経営破綻後人事、新設労働組合対応、海外法人、医療、介護、特殊法人など、豊富な事例と経験があり、特に運用に強みを持つ。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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