目標管理 第20回 WBSとGantt chart

目標管理、方針管理、OKRと言葉は違えどそれなりの規模の目標を追いかけていくときに有効なツールがいくつかあります。

プロジェクトマネジメントで見かけるWBS(Work Breakdown Structure)とガントチャート(Gantt chart)がよく使用されています。
 
WBSは項目(Work、Task等)を列挙したもので、この項目自体は大~小まで概ね2~3階層程度の構造を持つことが多いです。それぞれに担当部門や部署とその担当者、タスクごとの開始日、終了日、進捗度合いなどを管理するものです。

WBSだけで進捗管理は可能ですが、複数人数での目標を追いかける場合、つまりプロジェクトを回していく際には、共有=見える化することも必要になり、この時に有効なのがガントチャートです。
 
ガントチャートはスケジュール表そのものでタスクごとに棒グラフあるいは矢印で時間軸を書くものです。WBSだけでは分かりにくい関係性(どのタスクが終わったら次のタスクへ行けるのかなど)も見えるようになりますし、進捗度合いもWBSよりは一目で分かるようになります。
 
WBSとガントチャートはどちらかということではなく、まずはWBSにより項目の洗い出しをしながら、ある程度構想としてできた段階でガントチャートを作成する、そしてWBSへ細かな部分を補完していく、またガントチャートを作成する、という繰り返しでプロジェクト開始前に作成するものです。実際には目標を管理していく(プロジェクトを回していく)中で常に見直しが必要となってきます。

目標管理をする上で、チームで取り組む際には必須といってもよいかもしれませんし、個人でも進捗度合いや項目の関連度合いが分かるので、ぜひ作成し活用してみるとよいかと考えています。

執筆者

佐藤 耕一 
(人事戦略研究所 パートナーコンサルタント)

鉄道会社にて信号通信設備及びITシステムの設計業務を担当し、その後、教育事業会社で管理本部長として学習塾の運営と教育機関向け経営コンサルティング業務に携わる。前職では、電子部品メーカー系列のコンサルティングファームにて人事コンサルティング業務に携わるとともに、部長として同事業部門を率いる。国内外にて、中小企業から一部上場の大企業まで様々な規模を対象にし、あらゆる業種業態への人事諸制度の導入・運用実績がある。経営統合や分社化、経営破綻後人事、新設労働組合対応、海外法人、医療、介護、特殊法人など、豊富な事例と経験があり、特に運用に強みを持つ。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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