目標管理 第19回 クリエイト目標

第16回の『チャレンジとチェンジ』で、目標にはチャレンジ目標とチェンジ目標があることを紹介しました。
 
 チャレンジ目標 = 過去から想定される予測値 + 意欲
 
 チェンジ目標 = 過去と切り離された未知の状態を予想した姿
 
これはいずれも、現状から伸ばすか、変化させるかという点では、テーマそのものは変わっていません。80を100に伸ばすのがチャレンジ目標、AをBに変える(方向を変える)のがチェンジ目標、というようなイメージです。さらにいえば、XY平面での伸びを目指すのがチャレンジ目標、Z軸を考え方向転換するのがチェンジ目標といえるでしょう。この場合、空間自体は変わっていません。
 
こうしたものとは全く異なるクリエイト目標というものがあります。
これは、ゼロから産み出すということで、テーマ自体が異なるものです。つまり、空間そのものを変えるので、全く別の新たな世界を作っていくことになります。
 
例えば、役職に就くということのイメージが一番わかりやすいかもしれません。そうした外部要因からでなければ、なかなかクリエイト目標は立てにくいのですが、これを意識して目標設定をすると「劇的」に成長します。
 
普段、チャレンジ目標やチェンジ目標に取り組んでいて伸びが少なくなってきたな、というときは空間そのものを変える、ゼロから産み出すということに取り組んでみてはいかがでしょうか。
 
常にこの3つの目標を意識して設定すると、今いる世界の深さ・高さ(チャレンジ)、広さ・厚さ(チェンジ)だけでなく、別の世界(クリエイト)が見えてきます。

執筆者

佐藤 耕一 
(人事戦略研究所 パートナーコンサルタント)

鉄道会社にて信号通信設備及びITシステムの設計業務を担当し、その後、教育事業会社で管理本部長として学習塾の運営と教育機関向け経営コンサルティング業務に携わる。前職では、電子部品メーカー系列のコンサルティングファームにて人事コンサルティング業務に携わるとともに、部長として同事業部門を率いる。国内外にて、中小企業から一部上場の大企業まで様々な規模を対象にし、あらゆる業種業態への人事諸制度の導入・運用実績がある。経営統合や分社化、経営破綻後人事、新設労働組合対応、海外法人、医療、介護、特殊法人など、豊富な事例と経験があり、特に運用に強みを持つ。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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