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「褒めること」と「承認」の違い

2014年12月09日 カテゴリ:教育・能力開発

執筆者:川北 智奈美

人事戦略研究所 コンサルタント

飲食・ホテル業界での経験を活かし、現場のモチベーションをテーマにした組織開発を中心にコンサルティング活動を展開中。トップと現場の一体化を実現するためのビジョンマネジメント、現場のやる気を高める人事・賃金システム構築など、「現場の活性化」に主眼をおいた組織改革を行っている。特に「サービスは心から」をテーマに現場スタッフのサービスマインドを高める教育システム構築に力を入れている。 ICF(国際コーチ連盟)認定プロフェッショナルコーチ

コーチングにおいて「承認」が重要であることは前述している通りです。今日は少し「承認」について考えてみたいと思います。

少し前の調査ですが、公益財団法人日本生産性本部が行った「日本の課長と一般社員、職場のコミュニケーションに関する意識調査」では、 「仕事で成果を上げたり、他の見本になる行動をとった部下に対してどのように対応していますか?」という質問に対して、9割の課長が「褒めている」と答えているのに対して、「上司は褒めない方だ」と答えた部下は5割と半数を占めていました。

このギャップはどうして生じるのでしょうか?
  ・部下が期待しているより、褒める回数が少ない
  ・部下が褒められたと感じない褒め方をしている
  ・よほどの成果が出ない限り褒めていない
など、原因としてはいろいろ考えられます。

難しいですね。上司は褒めてるつもりが、部下はそう感じていないのですから。
コーチング研修においても、「部下を上手に褒めることは難しい」というご意見をよく伺います。
「褒めること」が信頼関係をつくり、部下のやる気を引き出すといっても、なかなかタイミングよく、効果的にできることではありません。

ここで少し区分しておきたいのが、「褒める」こととコーチングにおける「承認」の違いです。
「褒める」の意味を辞書で調べると、「人のしたことや行いをすぐれていると評価して、そのことを言う」とあります。部下指導の場面で言えば、「部下が出した成果、良い行動を評価し、言葉で伝える」となります。

これに対して、コーチングにおける承認には、

 1.「あなたがいてくれて助かる」といった存在そのものを認める「存在承認」
 2.「いつも掃除してくれてありがとう」といった努力やプロセス、日頃の好ましい言動を認める「事実承認」
 3.「仕事のスピードが上がったね」といったよい方向へ変化していることを認める「変化承認」
 4.「目標達成おめでとう、よくやった」といった成果、結果を認める「成果承認」

など、いくつかの観点があります。
「褒める」というと3、4の意味合いが強くなりますが、コーチングにおいては1、2についても十分な「承認」です。

例えば
  ・目を見て話す
  ・笑顔であいさつをする
  ・約束の時間を守る
  ・メールにすぐ返事をする
  ・時間をとって話を聞く
  ・食事に誘う
  ・役割を与える
  ・少しレベルの高い仕事を任せる
  ・悪いと思ったことを詫びる

といったことも、「存在承認」となります。

褒めることに抵抗感のある方や、苦手意識がある方でも、「承認」を軸においていただき、たとえ小さなことでも、部下に対して常に「敬意と関心をもって接し、行動に表す」ことが、積み重なって部下からの信頼につながり、効果的な部下指導ができる関係が築けるのだと思います。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。