オンライン会議活性化のポイント②

前回は、オンライン活性化のためには、会議を安心して発言できる場にすること、特に「リーダーの傾聴姿勢」が重要な要素となっていることについてお伝えしました。
今回は、もう少し枠を広げて、会議を活性化させるためのちょっとした工夫を考えてみたいと思います。
 
一つ目のポイントは、
前回と同様ではありますが、「会議が安全な場」となるよう進行役が中心となって工夫を行います。
会議の冒頭に、
・参加者全員に、あいづちをうつことなどの傾聴姿勢を保つよう伝える
・お互いに表情がきちんと読み取れるよう画面設定の調整を促す
・集合を待っている間に雑談を行うなど、和やかな場の形成を行う(笑いが起これば尚good)
など、傾聴姿勢を促進し、会議の雰囲気づくりを行います。
 
二つ目のポイントは、「チェックイン」。
チェックインとは会議が始まる前に、参加者がひとりずつ近況や今の心境、会議への意気込みなどを話します。全員が口を開き、思っていることをその場に出すことで、これから始まる会議への集中を促します。また会議への参画意識が高まることにもつながります。
但し、時間的には一人30秒から1分程度として、あまり長くなりすぎないよう注意しましょう。
 
三つ目のポイントは、
チャットやリアクション機能、ホワイトボードなど、便利なツールを活用し、動きのある場を形成することです。①チャットへの書き込みは自由、②発言に対して同意した場合は、いいねマーク、③発言後には拍手マーク、など一定のルールを決めておきます。
進行役の場合は、気軽に頼めるメンバーに積極的な活用をお願いしておくとよいかもしれません。また議事録係を決めて置き、会議での議論の要点や決定事項をホワイトボードに書き込んでいってもらうと、論点がブレにくく議題への集中を促すことにもつながります。
 
このようなちょっとした工夫で、場が盛り上がり、議論がこれまで以上に活性化するかもしれません。生産性が重視される中、「時間的なムダ」を省くことを意識しすぎて、肝心の会議の中身が薄くならないよう、「少しの余裕」「遊び心」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

執筆者

川北 智奈美 
(人事戦略研究所 マネージングコンサルタント)

現場のモチベーションをテーマにした組織開発コンサルティングを展開している。トップと現場の一体化を実現するためのビジョンマネジメント、現場のやる気を高める人事・賃金システム構築など、「現場の活性化」に主眼をおいた組織改革を行っている。 特に経営幹部~管理者のOJTが組織マネジメントの核心であると捉え、計画策定~目標管理体制構築と運用に力を入れている。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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