コーチングの基本スキル ~傾聴~
教育・能力開発
前回はコーチングを始める前の、前提となる基本姿勢についてお話しました。
今回からは、実際にスキルをご紹介していこうと思います。
第1回目は、コーチングをする際に、まず入り口として大事な傾聴のスキルです。
傾聴のスキルとは、つまり「相手が話しやすい雰囲気をつくること」、「相手が考えることに集中できる安心できるスペース、空間をつくること」です。
目に見える具体的な方法でいうと、
①うなづく、あいづちをうつ
②相手の話すペースに合わせて、じっくり聴く
③わからなかったり、不明瞭な部分は質問をするなどして、きちんと理解する
④対面して座らない(テーブルの角などを使って座る)
これだけです。実に簡単なものですよね。
きっと普段から皆さんがやっていらっしゃることだと思います。
ところが、簡単なことのように思うのですが、案外奥が深いもの。傾聴しているかどうかは、見た目でいくら上記のようにしていても、肝心の「心で聴く」ことができていないと、相手にそれが伝わります。安心して話せるスペースにはなりません。
つまり、「相手がどう受け取っているのか?」が大切で、「自分は傾聴しているつもり」だけではコーチングでいう傾聴とは言えません。じゃあどうすればよいのでしょうか。
ここで大切なことは、相手がどんな事を話してくれるんだろう?と純粋に興味をもつことです。自分の主観や既成概念は一切捨てて、すべてを想定しないことが重要なのです。相手の口から何が飛びだすのか、どんな可能性を秘めているのか?を心から楽しみながら聴くことです。そして出てきた答えや考えを自分の主観で評価、ジャッジしないことです。これができれば、既にコーチングが半分できているようなものです。
⑤心で聴く
まずは頭、心を空っぽにして、まずは純粋に興味をもって聴く、これが本質的な傾聴のスキルなのだと思います。
執筆者
川北 智奈美
(人事戦略研究所 マネージングコンサルタント)
現場のモチベーションをテーマにした組織開発コンサルティングを展開している。トップと現場の一体化を実現するためのビジョンマネジメント、現場のやる気を高める人事・賃金システム構築など、「現場の活性化」に主眼をおいた組織改革を行っている。 特に経営幹部~管理者のOJTが組織マネジメントの核心であると捉え、計画策定~目標管理体制構築と運用に力を入れている。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。
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