人事評価のベースとなるもの

評価をするには、何か 「比較対象」 があることが前提となります。何かと比較しなければ、良いか悪いかの判断はできません。では、何を比較対象とすべきでしょうか?同じ年代の社員でしょうか?同じ役職の社員でしょうか?

 

人事評価における唯一無二の比較対象は、「会社が要求する仕事レベル」です。決して、他の社員ではありません。

 

一般的に、部長職の社員と係長職の社員を比較すると、部長職の方が仕事はできるはずです。よって、単純に仕事が”できる” “できない”で相対評価をすると、部長職の社員の評価は良く、係長職の社員の評価は悪くなりますが、人事評価ではそんな評価はしません(最終的な賞与額などは別の話です)。

 

人事評価では、”部長職の職務を全うできたか” “係長職の職務を全うできたか”を確認することが、「会社が要求する仕事レベル」に対する評価となります。
その際に重要となるのが、等級基準書(職務要件書、職務記述書 など)です。前述の「部長職として」「係長職として」の基準を表現するものですね。

 

よって、人事評価を適切に行うには、等級(役職)ごとの期待レベルを明確にすることが大切です。次回以降、等級制度と等級基準書について述べていこうと思います。

執筆者

森谷 克也 
(人事戦略研究所 所長)

5~10年先の内部・外部環境を想定し、企業の成長を下支えする 「組織・人事戦略」 の策定・運用が図れるよう、 ≪経営計画-人事システム-人材育成≫ を連動させる組織・人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。また、カタチや理論に囚われない、「中小企業の実態に即したコンサルティング」 を身上とし、現場重視で培った独自のソリューションを多く開発している。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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