評価と教育をリンクさせる ⑧

多面評価(360度評価)の活用③
 
多面評価は非常に有効な手法ですが、人事評価制度の一部として処遇に大きく反映させるのは難しく、世間でもそれほど採用されていません(詳細は、前回のブログをご参照ください)。
企業が研修スタイルで社員教育を行う場合、大きく2つの方法があります。一つは、知識や技術を習得するための研修で、ロジカルシンキング研修や、計数能力強化研修などがそれにあたります。
もう一つは、参加者に “気づき” を促し、今後の行動変革につなげるための研修ですが、多面評価の実施は非常に有効なツールになりえます。
 
非常に有効と言えるのは、教育研修のツールとして活用する場合です。
 
気づきを起こす手段の一つとして、自分が考えていた”自分像”と、他人から見た”自分像”を比較する方法があります。自分では、それなりに考え、場合によっては信念を持って日頃の言動を行っているものの、他人からは違った印象を持たれているということが多々あります。
お役立ちライブラリーに、弊社が研修時に使用している多面評価シートのサンプル(実際は、各企業に合わせて設問を加工します)を掲載していますが、こういった設問について自己評価、上司評価、部下評価、他部署評価などを行うことにより、自分が認識している自分と、他人から見た自分を比較します。
実際の研修では、特に自己評価と他人評価のギャップが大きい項目を中心に、「何故そのような評価結果になったのか」を検証することで、新たな気づきにつなぐことができます。
 
ただし、評価結果は非常にシビアなものである可能性も高いため、参加者が評価者を特定できないようにするなどの工夫が必要です。安易に取り組むと、参加者のモチベーションを下げたり、会社の雰囲気を悪くしたりする恐れがあります。
専門の外部業者に依頼した方がよいと言えます。

執筆者

森谷 克也 
(人事戦略研究所 所長)

5~10年先の内部・外部環境を想定し、企業の成長を下支えする 「組織・人事戦略」 の策定・運用が図れるよう、 ≪経営計画-人事システム-人材育成≫ を連動させる組織・人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。また、カタチや理論に囚われない、「中小企業の実態に即したコンサルティング」 を身上とし、現場重視で培った独自のソリューションを多く開発している。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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