等級制度②

等級は何段階が最適でしょうか?
 
業種や企業規模によって様々ですが、多くの企業は6~8段階で落ち着きます。筆者の支援先を調べると、最低で5段階、最高で10段階でしたが、多くは6~8の間でした。
 
等級制度とは、社員を仕事レベル(責任の重さ、仕事の難易度、能力など)で分ける制度です。仮に20等級制だとすると、12等級と13等級の違いを説明できないでしょうし、仮に3等級制だとすると、一つの等級にレベルの異なる社員が混在することになります。いずれにせよ、等級制度の信頼性は低くなるでしょう。
 
前回のブログでお伝えした7等級制をベースに実在の社員を振り分けてみて、実力の異なる社員が混在する等級があれば分ける、社員が実在しない等級はなくす、といった方法で検討すると、貴社にマッチする等級数が見つかるでしょう。
ただしこれは、あくまで現状整理の方法で、かつ複線型の人事制度は加味しない方法ですのでご留意ください。
 
設定する際の注意点は、賃金を意識しないことです。「等級間で賃金に差をつけなければいけない」「既存社員をプロットすると賃金水準のバラつきが大きい」等を考え出すとうまく設計できません。
等級はあくまで「仕事レベルの規定」と割り切るのが、よい等級制度をつくるコツの一つです。

執筆者

森谷 克也 
(人事戦略研究所 所長)

5~10年先の内部・外部環境を想定し、企業の成長を下支えする 「組織・人事戦略」 の策定・運用が図れるよう、 ≪経営計画-人事システム-人材育成≫ を連動させる組織・人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。また、カタチや理論に囚われない、「中小企業の実態に即したコンサルティング」 を身上とし、現場重視で培った独自のソリューションを多く開発している。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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