目標管理における「ストレッチ目標」とは何か

人事評価制度に目標管理を取り入れている企業が多いのは周知の事実です。

目標設定におけるキーワードに、「ストレッチ目標」を謳っている企業が多いのは

長年の経験則です。

 

貴社はストレッチを正しく定義できているでしょうか?

よく「背伸びしなければ届かない目標」と言われますが、それはどの程度でしょうか?

検証する手順をご紹介したいと思います。

 

Step1.まずは、ルーティンをNGとする

最も分かりやすい定義は、「ルーティン業務そのものでないこと」です。

日常業務は、わざわざ目標として設定しなくとも遂行しますので、

目標に書く必要はありません。 ※改善が伴えば話は別です

 

Step2.次に、等級期待レベルを確認する

本人の等級を踏まえ「出来て当たり前」はストレッチとは言えません。

何らかの側面(下記、Step3参照)で等級期待レベルを超えている必要が

ありますが、その前提として等級定義を確認する必要があります。

 

Step3.最後に、具体的に何の面で等級期待レベルを超えるか明確にする

これは、等級期待レベルを踏まえつつ、「難しい仕事とは何か」を考えてください。
 

①本来は本人の等級より「上の等級」の者が行う業務を担当する。

②本来は上司のフォローが必要な業務を「一人で完結」する。

③本人の等級を踏まえると、担当「範囲が広い」「人数が多い」「規模が大きい」
「額が多い」「ランクが高い」「複雑である」。

④「新規性」「改善」といった観点で本人の等級を超える。

⑤本人の等級を踏まえると、進めるうえでの「調整」の難易度が高い。

⑥本人の等級を踏まえると、リソース(ヒト・モノ・カネ・時間・情報・ノウハウ 等)
の獲得が難しい。

⑦通常+αで業務を進める(○○PJを進めながらマニュアルを作成する 等)。

 ※もちろん他にもありますが、7~8割は上記かと思います

 

よく論じられる観点ですが、チャレンジとストレッチは違います。

例えば、昇格して間もない人が一つ上の等級レベルで目標を設定すると、

それはチャレンジになります。

例えば、昇格間近の人が一つ上の等級レベルで目標を設定すると、

それはストレッチになります。

 

ストレッチ目標を正しく設定できれば、組織の生産性は上がりますし、

人材の成長も促進できます。

 

ご参考になれば幸いです。

執筆者

森谷 克也 
(人事戦略研究所 所長)

5~10年先の内部・外部環境を想定し、企業の成長を下支えする 「組織・人事戦略」 の策定・運用が図れるよう、 ≪経営計画-人事システム-人材育成≫ を連動させる組織・人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。また、カタチや理論に囚われない、「中小企業の実態に即したコンサルティング」 を身上とし、現場重視で培った独自のソリューションを多く開発している。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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