評価と教育をリンクさせる ③

(やる気 + 能力 + 意識) × 行動 ⇒ 成果
 
人材が成果をあげるための方程式を説明する場合、このような公式を使うことがあります。
意味としては、
 
「やる気があっても、能力が高くても、意識が高くても、行動しなければ成果は生まれない」
 
という考え方で、ともかく行動量を重視しようというものです。
 
能力の高いベテラン営業社員が、入社したての新人営業社員に、成績で負ける場合があります。
 
多くは、ベテラン社員の行動量不足(安全志向、見切りの早さ等)に対し、新人営業社員の豊富な行動量(怖いもの知らず、必死のアピール等)が優るためです。
 
こういった事例を思い起こしても、やはり行動は重要であり、上記の方程式で示すように唯一の”掛け算”と考えられます。
 
では、こういった考え方を人事評価表に落とし込むと、どんな評価基準になるでしょうか?
 
【評価項目】 コミュニケーション(低等級者を想定)
【評   語】 D:社内コミュニケーションに対する意識が低く、業務に支障をきたしている
         C:期待レベルに対し、コミュニケーション量が少ない
         B:概ね期待レベルのコミュニケーション量である
         A:期待レベル以上のコミュニケーション量を確保している
         S:コミュニケーションにより、円滑な組織運営に貢献できた
 
業務に支障がある場合にD評価を使い、成果性が目に見える場合にS評価を使います。その他、真ん中のC・B・A評価については、目に見える行動量の多さを3段階に振り分けています。
もちろん、コミュニケーションは量だけでなく質も重要ですので、例え量が少なくても、「円滑な組織運営に貢献できた」状態であればS評価となります。
 
心理学には『ザイアンスの法則(単純接触効果)』という考え方があります。「人は、見たり、聞いたり、触れたりする回数が多いほど、比例して好意は高まる」というものです。チームワークを維持する上で、好意を持たれるというのは非常に重要であり、裏を返すとコミュニケーションは量が重要である、とも言えます。
 
このように、人材育成やチームワークに関する見識があれば、それに沿ったカタチで人事評価表を構成することができるかもしれません。
 
貴社の人事評価表は、如何でしょうか?

執筆者

森谷 克也 
(人事戦略研究所 所長)

5~10年先の内部・外部環境を想定し、企業の成長を下支えする 「組織・人事戦略」 の策定・運用が図れるよう、 ≪経営計画-人事システム-人材育成≫ を連動させる組織・人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。また、カタチや理論に囚われない、「中小企業の実態に即したコンサルティング」 を身上とし、現場重視で培った独自のソリューションを多く開発している。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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