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「現状分析・診断」のイロハ③

2015年06月20日 カテゴリ:分析・診断

執筆者:岸本 耕平

人事戦略研究所 コンサルタント

大学卒業後、大手パッケージソフトウェア会社に就職。企業が持つ人材価値の最大化の実現を目指し、人事管理ソフトの企画・開発に取り組んだ。新経営サービス入社後は、「理想をカタチにするコンサルティング」をモットーに、中小企業の人事評価・賃金制度構築に従事している。特に、中小企業ではなじみのない人事データの定量分析手法を用いての多角的な分析を軸にしたコンサルティングを得意としている。

前回は、労働分配率を活用した人件費分析の目的と管理指標について述べました。今回は、どのような方法で問題点とその原因を導き出すかを解説します。

(1)問題発見に向けた2つのアプローチ
 ①適正な労働分配率とのギャップを測る
  前回お伝えした通り、人件費分析ではあるべき労働分配率を決めた上で、実際の労働分配率が適正値と比較して
  どの程度ギャップがあったかを、3~5年スパンで確認していきます。ギャップが大きい年については、人件費に何らか
  の問題が生じている可能性が高いため、深堀して原因を特定していきます。
 ②労働分配率の「中身」をチェックする
  労働分配率は、「人件費÷付加価値」で算出される"結果"ですので、"中身"である人件費や付加価値に本当に
  問題がないかを確認する必要があります。また、人件費・付加価値については、「総額」ではなく「1人当り」換算で
  その推移を確認します。チェックポイントは、1人当り付加価値高の変動に1人当り人件費が連動しているどうかです。
  連動していない場合は、その原因を探ります。

(2)仮説を立てた上で、原因を特定する
 問題が発見された場合、次にその原因を特定していきます。その際は、仮説を持ちながら検証を進めた方が効率的です。
 人件費に何らかの問題がある場合、1人当たり人件費と人員のどちらか、もしくは両方に原因が潜んでいます。
 なお、ここでいう1人当り人件費は、社員に対して通例的に支払われる人件費を指しますので、退職金や役員報酬といった
 人件費項目は除外して検討してください。

具体的に、考えられる原因は、以下のようなものです。
 ①1人当り人件費の問題
  ・業績に関係なく昇給を行っていないか
  ・賞与と業績が連動していないか
  ・残業代が固定化されていないか
 ②人員の問題
  ・社員を増やしすぎていないか
  ・社員がやめすぎていないか
  ・社員が高齢化していないか

上記のような仮説を立てた上で、人件費に影響を与えた原因について、必要な分析を行いながら検証を進めていきます。


次回からは、上記の仮説を検証する具体的な分析手法をご紹介していきます。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。