上司のためのオンライン面談のポイント

コロナ禍においてテレワークが推奨され、随分と経ちました。以前は対面での実施=オフラインが当然だった面談も、今ではオンライン実施可、とする会社も出てきています。
当初はルールや作法も何もわからないまま、とにかく実施していたと思いますが、このタイミングで、ご自身のオンライン面談をセルフチェックしてみませんか。
 
■環境設定編
 
・身体は正面向き
正面を向いて対面する形で映りましょう。部下からすると、身体がこちらに向いていない上司は、自分に向き合ってくれていないように感じます。カメラを、対面するモニタやパソコン以外の、別の場所に設置されている方がいらっしゃる方は、正面で映るように配置しましょう。
 
・表情がわかりやすいように調整を
頭から顎まで、しっかりとカメラにおさめるようにしましょう。頭や顎がカメラのフレーム外に出ていると、部下としては表情を読み取りづらく、何よりも気になります。カメラ付きノートパソコンを使われている場合に、自分が見やすい角度にモニタ画面を設定したことで起こりやすいので注意が必要です。それから、光の加減ひとつで部下に与える印象も変わりますので、全体的に表情が読み取れるように、逆光にならないように、気を付けてください。
 
・カメラとの距離や目線の高さを意識
カメラとは、適切な距離を保ちましょう。近づきすぎると画面いっぱいに映って、高圧的に見られたり、逆に離れすぎていると小さく見えて、心理的に距離を感じたりします。また、カメラの位置は、目線と同じ高さがベストです。上目遣いになると自信がないように見えますし、見下している場合は、部下に怖い印象を与える可能性があります。カメラ付きノートパソコンを使われている場合は、下に書籍を敷くなどして、ノートパソコン本体の高さ調節をすることをおすすめします。
 
■コミュニケーション実践編
 
・リアクションは大きめに
うなずきは大きめに、あいづちは相手の話を邪魔しないように、しっかりと反応をしましょう。落ち着いて話ができる会議室などの部屋で実施するオフライン面談と、会社または居室でノートパソコンの画面の中の相手と話すオンライン面談では、没入感が違い、受け取れる情報に大きく差がでます。オフラインでは、直接互いを見ずに手元の資料に目を落としている最中でも、相手の些細な反応や呼吸を感知できることがありますが、オンラインではそれは難しいものです。オンラインでは、自身がしっかりと聴いていることのアピールを、オフラインより大きめに行うと良いでしょう。
 
・話すときは、カメラ目線を意識
基本の目線はカメラへ向けてください。すると、部下から見たときに視線が合ってこちらを見てくれているように見えます。もちろん、部下の表情を見ることも大切です。ただ、カメラに向いて話すのは非常にやりづらく、慣れが必要なため、気がつけば部下の表情を見ている状態になりがちです。カメラ目線を特に意識してみてください。
 
・画面共有は必要な時だけ
資料を示して、互いに同じ個所を確認して認識合わせをしながら進められる点は、オフラインよりも優れている点です。しかし、必要な時に限って使って頂くのをおすすめします。多くのオンライン会議ツールでは、資料・画面共有機能を使うと、共有情報が画面の多くを占め、カメラ映像が小さく設定される傾向にあり、部下の些細な表情の変化や反応を見落としてしまう懸念があります。顔を部下に向けた状態で喋ることができる点においては、上司にとって使い勝手が良いですが、資料が不必要になったら、共有を解除したほうがいいでしょう。
 
直接対面で面談を実施するオフラインよりも、互いに表情や空気感など、繊細な情報を受け取りづらいのがオンラインの難点です。少しでもこのデメリットを補えるように「傾聴の姿勢づくり」を工夫することが大切です。 今回は上司のためのオンライン面談のポイントとしてご紹介しましたが、お客様とのお打合せ時にも活用できます。是非、お試しください。

執筆者

西澤 美典 
(人事戦略研究所 シニアコンサルタント)

前職の製造系ベンチャー企業では、営業・人事・総務・WEB制作担当等の実務に従事。
経営者の間近で幅広い業務に携わり、様々な企業や人との出会いを経て、「働く人々の毎日や職場を、より生きがいを感じることのできるものにしたい」という志を持ち、新経営サービスに入社。
経営者と共に、人事制度をキッカケにして、組織で働く人を元気にできるコンサルティングを心掛けている。
設計段階から、先々の運用をイメージした、組織になじみやすい制度づくりを行っている。
全米・日本NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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