評価制度 運用マニュアル作成のコツ

「評価を実施し、それを処遇に反映する」一連の流れを、多くの企業では年1~2回実施されています。評価をする立場(多くは管理職)になると、たいへん重要な役目を任されるというのに、多くて年に2回の実施ですから、慣れた人でも大した数をこなしていません。さらに毎年、新たに管理職に登用される人が出てきますので、何かしらの手引きがないことにはスムーズに進めづらいでしょう。そのような時のために、評価制度の運用マニュアルを作成されてはいかがでしょうか。

 

人事制度運用マニュアルを実際に作りだしてみると、作り進めるほどに細かなルールが不明確であることに気づくでしょう。その理由は、とにかく関係者が多いことにあります。いつ、誰が、何をするのか……。例えば、「まず人事部から評価表を配布して、次に……」などと、順番に書き出そうとすると、ゴールまでたいへん長い道のりになります。
 
業務の手順を最初から書き出すのではなく、まずは以下を明確に区別して認識しておくことをおすすめします。
 
 

「業務プロセス」と「作業手順」

「業務プロセス」は、過程、工程、方法を意味します。一定の時間の流れにそって発生する出来事のことです。
 
 例:本人評価→1次評価→2次評価→評価調整 など
 
「作業手順」は、物事をする順序や段取りのことです。ある目的を達成するために行う一連の手続き、です。
 
 例:評価表の配布→記入要領・記入期日の説明→本人評価の実施
 (「本人評価を実施する」という目的を達成するための手順)
 
 

「ルール」と「留意点」

「ルール」は、規則、規制を意味します。決まり事のことです。
 
 例:目標は、必ず3つ以上設定してください
 
「留意点」は、気をつけるべき点や、心を留める必要がある点です。
 
 例:目標は、手を伸ばせば届くような目標ではなく、ストレッチな目標を掲げてください
 
 

それぞれを区別して認識し、まず「業務プロセス」をまとめることで、評価制度の全体像や、誰が・いつ・何をするのか、の運用スケジュールを明確になります。自分がどの点に関わるのかを理解してもらうために、全社員に向けて示すとよいでしょう。
 
また、「作業手順」をまとめることで、人と人を介する細かな手順を明確にすることができたり、人事部が作業手順の適切さを検証するきっかけになったり、イレギュラーなケースなど細かな点にも事前に気づくことができたりします。「作業手順」の内容によってはその情報を必要とする人が限られますので、マニュアルの見せ方・作り方も変わってくるでしょう。

 

それから、「ルール」と「留意点」については、混在していると正しい「ルール」がわからなくなることがありますので注意が必要です。運用マニュアルに記載する場合は明確に区別して記載しましょう。大前提として「ルール」がわかりやすくまとめられていることが、マニュアルにおいては大切です。

 

これらが区別できていると、マニュアルの構造がわかりやすく、内容の粒度を揃えることができます。スムーズな評価運用に向けて、次回も引き続き、マニュアル作成のコツをお話します。

執筆者

西澤 美典 
(人事戦略研究所 シニアコンサルタント)

前職の製造系ベンチャー企業では、営業・人事・総務・WEB制作担当等の実務に従事。
経営者の間近で幅広い業務に携わり、様々な企業や人との出会いを経て、「働く人々の毎日や職場を、より生きがいを感じることのできるものにしたい」という志を持ち、新経営サービスに入社。
経営者と共に、人事制度をキッカケにして、組織で働く人を元気にできるコンサルティングを心掛けている。
設計段階から、先々の運用をイメージした、組織になじみやすい制度づくりを行っている。
全米・日本NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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