目標管理 第11回 チェックを受ける
目標管理
目標を達成するにあたっては、自らを律しながら決めたことをやる必要があります。しかし、そうはいってもやり続けること自体が難しかったり、どうしてもさぼりがちになったり、というときには、他人の力を借りる3つの方法を含む、以下の4つがありました。
①自ら踏み込む、②チェックを受ける、③ご褒美を用意する、④競争する、今回はこのうち、『 ②チェックを受ける 』について、見てみましょう。
この方法は、タイトルそのままですが、他人に行動や記録のチェックをしてもらうということです。つまり、外部からの「多少の強制」を働かせることです。チェックを受ける項目は、目標を遂行するための具体的な行動をしたかどうかなので、前回の「①自ら踏み込む」で見てきた記録の仕組みをそのまま使っても構いません。
他人にお願いするといっても、その関係性には非常に注意しなければなりません。上司と部下のような関係でのチェックとなると、どうしても上下関係があり自然ときつくなったり部下側からの遠慮が出てしまいます。行動やその記録についてのチェックは上司以外の方の方がうまくいくケースが大半です。また、家族にチェックしてもらう場合も要注意です。あまりにも近い関係ですと、行動できなかったときのやり取りでケンカになりやすいということが多々あります。もちろん、上司だろうと家族だろうと上手くいくケースもあります。ですから記録を誰にお願いするのかは、慎重に判断しなければなりません。
チェックの方法ですが、記録は自分でしておき、それを確認してもらうということと記録そのものをしてもらうという2つのパターンがあります。基本的には記録を自分でしておき、毎日あるいは週単位などでまとめて確認してもらうことが通常です。記録自体をしてもらう場合は、他人に負担をかけることにもなりますし、目の前にいる状態でなければなりませんから、限られたケースでしょうが、他律という意味ではより効きます。しかし、強制力を働かせることは、自発的な行動から離れていくこともにもつながる可能性があるので、やはり注意が必要です。原則としては、自分で記録をして記録したものをチェックしてもらうということが望ましいです。
次回は、『 ③ご褒美を用意する 』について見てきます。
参考書籍:やる気に左右されず結果を出す『あらゆる目標を達成するすごいシート』日本実業出版社 佐藤耕一著
執筆者
佐藤 耕一
(人事戦略研究所 パートナーコンサルタント)
鉄道会社にて信号通信設備及びITシステムの設計業務を担当し、その後、教育事業会社で管理本部長として学習塾の運営と教育機関向け経営コンサルティング業務に携わる。前職では、電子部品メーカー系列のコンサルティングファームにて人事コンサルティング業務に携わるとともに、部長として同事業部門を率いる。国内外にて、中小企業から一部上場の大企業まで様々な規模を対象にし、あらゆる業種業態への人事諸制度の導入・運用実績がある。経営統合や分社化、経営破綻後人事、新設労働組合対応、海外法人、医療、介護、特殊法人など、豊富な事例と経験があり、特に運用に強みを持つ。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。
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