Z世代の採用を助ける2つの視点~成長とタイパ~

「新卒がなかなか取れない」とお悩みの中小企業の経営者や人事担当者様は、多いのではないでしょうか。実際、300人未満の会社では、2023年3月卒の大卒求人倍率は5.31倍であり、1人の大卒を5社以上の求人が取り合っている状態です。
 

出典:リクルートワークス研究所 2022年4月26日発表
「ワークス大卒求人倍率調査(2023年卒)」
https://www.works-i.com/research/works-report/item/220426_kyujin.pdf
 

新卒採用を考えるときに、その対象となるのは、いわゆる「Z世代」(現在の10代~20代前半の若年層)と呼ばれる層です。もちろん人は一人一人個性がありますが、世代ごとの特徴もあります。今回は、Z世代の特徴を2つ取りあげて、採用をうまく進めるための勘所を紹介したいと思います。
 

まずZ世代の特徴を示す1つ目のキーワードに、「成長」があります。次の2つの表をご覧ください。2021年の新入社員へのアンケート結果で、仕事をする上で重視することの2位に「成長」がランクインしています。また、仕事をする上で不安に思っていることの2位も「成長」となっています。このことから、採用のプロセスにおいて、「この会社に入ると自分も成長できる」と感じてもらえれば、学生に安心感を与えられ、入社してもらえる確率は高まるといえます。
 

出典:リクルートマネジメントソリューションズ 2021年6月28日発表
「2021年 新入社員意識調査」
https://www.recruit-ms.co.jp/upd/newsrelease/2106271634_6187.pdf
 

次に、Z世代の特徴を示す2つ目のキーワードは、「タイパ」です。この言葉は「タイムパフォーマンス」という言葉の略語であり、「自分が何かに使った時間に対して感じる満足度」を指します。採用のプロセスで例をあげますと、「丸1日使って応募先の会社でインターンに参加したが、特に学びがなかった」など、自分が何かに時間を使ったにも関わらず、満足感が得られないとタイパは低くなってしまいます。
 

彼らがなぜタイパを意識するかについては様々な理由が考えられますが、1つは学生時代からSNSを使っていることがあげられると思います。次の図にあります通り、Z世代が「普段チェックする情報源」「最もチェックしている情報源」はSNSであり、SNSは自分が欲しい情報の発信元を選ぶと、発信元の情報とそれに近い情報をまとめて流してくれるので、非常にタイパが高い媒体です。したがって、採用においても、採用ホームページや説明会などを通じて自社を訴求する際に、いかにタイパを高められるかがポイントとなります。

 

出典:Z世代に関する宣伝会議の調査(2022年2月3日掲載)
「6000人超のZ世代アンケートから見る、情報・人との接し方とは」
https://www.advertimes.com/20220203/article375705/
 

以上2点を踏まえた採用施策の具体策として、例えば、次のようなことが考えられます。
 
「成長」を意識した採用施策:

◇求人ページにもリンクを貼って、採用サイトに応募者と近い社員の成長体験談をPRする

◇実際に行う仕事と同様の内容でインターンシップを行い、それぞれの学生に丁寧なフィードバックを行い、小さな成長実感を体験してもらう 等々

 

「タイパ」を意識した採用施策:

◇自社のYouTubeやTikTokのチャンネルに会社の魅力を伝える短時間の動画を載せ、興味のある動画だけを倍速でも見られるようにして紹介する

(ちなみに、変なコメントの入力をふせぐため、コメントは入力不可にされて、質問用リンクを貼られることをおすすめいたします)

◇自社の採用ホームページにおいて、短時間の動画を活用する 等々

 

勘所は「短い時間で成長を感じられる機会を提供すること」です。上記の他にも採用をうまく進めるための方法は色々あるでしょう。思い切って、どのような施策があれば「成長」や「タイパ」を感じられると思うか、応募者に実際に直接聴いてみる方法もあります。思ってもみなかった素晴らしい答えが返ってくるかもしれません。Z世代の特徴も踏まえて、採用方法を見直す参考にして頂ければ幸いです。
 

弊社でも新卒採用に限らず、中途採用もふくめた中小企業向けの採用支援専門サイトも立ち上げておりますので、興味のある方はご覧ください。
 

「ヒトノトリカタ」https://trms.jp/

 

執筆者

町田 耕一 
(人事戦略研究所 コンサルタント)

大手IT企業にて、自社システム企画・顧客への人事給与システム導入・人事総務等の実務に従事、それぞれで製品化・予定の1/4の納期での導入・迅速な業務遂行による部署内表彰などの成果を出す。
新経営サービス入社後は、人事・情報技術の知見を活かし、人事制度策定・運用だけでなく、HRテックの導入と運用に対する顧客や社会への提案も積極的に行っている。新経営サービス内でのHRテック導入と運用も担当しており、各企業に合うHRテックの導入と運用に明るい。
G検定(AI活用検定)に2019年3月合格後、E資格(AI作成能力)合格者との限定コミュニティ(CDLE、5万名以上所属)で活動。「NEWS+」グループのリーダー。2022年、貢献に対するメンバーの投票等で決まる最優秀賞をグループ・個人とも受賞。
AIに関する法律や倫理を考える「AIリーガル」グループのメンバーでもあり、英国王室公認品質協会(ICQ|IRCA)から、世界80か国、2万名以上の会員に発刊された『Quality Magazine』誌2022年秋号のAI特集記事への寄稿にも協力。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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