人事制度の運用オペレーションを改善する①
分析・診断
人事制度は運用が要である。
このようなことを聞くと、「評価者(=管理者)のレベルアップ」を連想される方が多いかと思います。たしかに重要な要素の一つであることは間違いありませんが、他にも重要な要素があります。それは、「人事制度の運用オペレーション(人事評価結果の回収・集計、昇格判定 など)をしっかりと行う」ことです。
日々、多くの中小企業とお会いしていますが、この運用オペレーションに関して上手くいっている企業は少ないように感じます。
なぜ、上手くいかないのか?
理由を挙げてみると、以下のようなことがよく見受けられます。
・スケジュールが組まれていない
・誰が担当するかがはっきりしていない
・何をやるのかが分からない、イメージできていない
・運用担当者が業務をすべて一人で抱え込んでいる
・その他業務の忙しさを考慮できていない …etc.
列挙し始めるときりがありませんが、よくあるケースはざっとこんなところです。
このようなことが起こる原因は、運用オペレーションの見える化がなされていない点にあると、私は考えます。具体的には、誰が/いつ/何を/どのように行うかといったことがそもそもはっきりしないままに何となく運用している状態です。したがって、人事制度の運用改善を図るには、業務の担当や実施時期など細かなことを決めていくことが重要となってくるでしょう。
次回は、このような問題をどうやって解決していくか、具体的な手法をお話していきたいと思います。
執筆者

岸本 耕平
(人事戦略研究所 マネジャー)
前職では人的資本の最大化の実現を目指し、人事管理ソフトの開発・保守業務に従事。新経営サービス入社後は、50社以上の支援実績をもち、人事評価・賃金制度構築や教育制度構築、中期経営計画策定、管理職研修など幅広いコンサルティングを手掛けた。
昨今トレンドとなっている人的資本経営・人的資本開示に関する研究も深めており、その知見を活かしたコンサルティングに定評がある。
ISO30414リードコンサルタント/アセッサー
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。