戦略人事を支える情報技術 定着編
HRテック
2020年に厚労省から発表された大卒新卒者の
3年以内の離職率は32.8%であり、「社員の定着をいかに図るか」を
課題として認識している企業は多いと思います。
では、定着のためには何が必要でしょうか。
たとえば、成長実感を持っているかや、業務量は適切か、
上司や同僚との関係性はどうか、あるいは評価への納得感はあるか、
ワークライフバランスは保たれているかなど、
定着に必要な因子は多岐にわたります。
自社の社員が、何に関心を持っているのか、
そしてそれがどれだけ充足しているのかを
知ることができれば、定着に向けた手を打ちやすくなります。
そのためには、社員アンケートをとって定着に影響を与える因子と
その充足度を把握することが有用ですが、
そもそもどのような設問を設定すれば良いのかがわからない、
分析のための工数が掛かる、統計等のスキルが必要になるなど
実行にあたってはハードルが高いのが実態と言えます。
そこで、予め定着に資する設問の設定ができていて、
実施の手間がかからず、
AIが適切に分析結果を出してくれるwebツールの活用が、
解決手段の1つとしてあがってきます。
様々なwebツールがありますが、
今回は弊社で2年半以上使用している、
「wevox(ウィボックス)」を紹介いたします。
〈wevoxの特徴〉
・初回は、上司との関係、同僚からの支援、やりがいなど、定着に関する32問に7段階で回答
・2回目からは週4問、2週に1回8問、月16問いずれにするか管理者が設定
・仕事の意欲への影響度を横軸、満足度を縦軸としたグラフで、改善推奨項目を表示
・組織に対する愛着への影響度を横軸、満足度を縦軸としたグラフで、改善推奨項目を表示
・設問(7段階orフリーコメント)は必要に応じて自由に追加でき、意見収集・現状把握に使える
・初期費用なし、月単位契約(自動更新)、使用者1人あたり月300円のシンプルな料金体系
定着に関する因子の充足度を同規模や同業種等とベンチマークできたり、部門や役職、新卒/中途、雇用区分、入社年、個人単位で把握できたりするため、自社の状況を多角的・客観的に知ることが可能です。
社員の現状を効率的に把握し、定着施策の方向性を適切に見定めるために、
webツールをうまく活用してみませんか?
執筆者
町田 耕一
(人事戦略研究所 コンサルタント)
大手IT企業にて、自社システム企画・顧客への人事給与システム導入・人事総務等の実務に従事、それぞれで製品化・予定の1/4の納期での導入・迅速な業務遂行による部署内表彰などの成果を出す。
新経営サービス入社後は、人事・情報技術の知見を活かし、人事制度策定・運用だけでなく、HRテックの導入と運用に対する顧客や社会への提案も積極的に行っている。新経営サービス内でのHRテック導入と運用も担当しており、各企業に合うHRテックの導入と運用に明るい。
G検定(AI活用検定)に2019年3月合格後、E資格(AI作成能力)合格者との限定コミュニティ(CDLE、5万名以上所属)で活動。「NEWS+」グループのリーダー。2022年、貢献に対するメンバーの投票等で決まる最優秀賞をグループ・個人とも受賞。
AIに関する法律や倫理を考える「AIリーガル」グループのメンバーでもあり、英国王室公認品質協会(CQI|IRCA)から、世界80か国、2万名以上の会員に発刊された『Quality Magazine』誌2022年秋号のAI特集記事への寄稿にも協力。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。