キャリアパスの見える化⑪
分析・診断
前回のブログでは、等級基準書を作成する際のポイントを紹介しました。今回からは各ポイントについて具体的に解説します。
ポイント①_等級判定ができるように、仕事レベルに差が出やすい事柄をベースにする
等級基準書とは、会社が社員に求める要件(行動、能力、知識など)を等級ごと具体化したものです。求める要件が具体化されるからこそ、等級ごとの仕事レベルの差が社員から見てもわかる形となります。
等級基準書を作成する際、「どういった要件を盛り込もうか?」と悩んでしまうこともあります。こういった場合は、「仕事レベルに差が出やすい事柄であるか?」という切り口から検討することが重要となります。
では、どうすれば「仕事レベルに差が出る事柄」を上手く抽出でしょうか?そのコツをお伝えすると、それは、実在者をイメージしながら検討することです。例えば、「パフォーマンスの高い者とそうでない者の違いは?」といったテーマについて、実在者をイメージしながら考えてみましょう。テーマについて考えてみると、いくつかキーワードが浮かび上がってくるかと思います。(例:商品知識、問題解決力 など)キーワードが出てくれば、「等級ごとにどのような違いが具体的にあるか?」を掘り下げていけば、等級基準書に盛り込めるだけの材料が十分に揃ってくるはずです。
なお、上記プロセスをたどる際は、「文章を作ろうとする」と上手く進まないケースがあります。文章を練り上げるのは、一旦後回しにしてキーワードをしっかりと抽出することを念頭に検討を進めていく方がスムーズです。
今回のブログはここまでです。次回は残り3つのポイントについても詳しく解説していきます。
執筆者

岸本 耕平
(人事戦略研究所 マネジャー)
前職では人的資本の最大化の実現を目指し、人事管理ソフトの開発・保守業務に従事。新経営サービス入社後は、50社以上の支援実績をもち、人事評価・賃金制度構築や教育制度構築、中期経営計画策定、管理職研修など幅広いコンサルティングを手掛けた。
昨今トレンドとなっている人的資本経営・人的資本開示に関する研究も深めており、その知見を活かしたコンサルティングに定評がある。
ISO30414リードコンサルタント/アセッサー
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。