「現状分析・診断」のイロハ⑩

前回は、「人員構成分析の進め方」についてお話ししました。今回からは、人員構成分析の具体的な手法について、解説していきます。まず、第一弾は、年齢別の人員構成の分析手法です。
 
◇年齢構成に「歪み」を抱える企業は多い
これまで定量的な観点から中小企業の組織・人事の現状を分析・診断してきましたが、年齢構成に何らかの「歪み」を抱えている企業がほとんどです。年齢構成の歪みは、人件費の予期せぬ増加や、人員配置に支障を来す恐れもあります。また、こういった歪みを解消するには、かなりの時間を要します。よって、このような問題意識を放置せず、年齢別人員構成表を作成し、まずは自社の年齢構成を「見える化」することを推奨します。
 
◇自社の年齢構成の「タイプ」を見極める
年齢構成表を作成すると、自社の社員の年齢構成がよく分かるはずです。ただ、前回もお伝えしましたが、漠然と眺めるだけでは、どのような課題やリスクを抱えているのかが掴めません。人員がどの年代に偏っているかに着目してみましょう。その際、自社の社員の年齢構成が、下記のどのタイプに近いかを見極めてみます。
 
①中太り型 ・・・・ 30代後半~40代前半が多い
②中抜け型 ・・・・ 30代後半~40代前半が少ない
③逆ピラミッド型 ・・・・ 40代後半~50代が多い
 
上記3つのタイプごとに、抱えている課題・リスクやそれに対する打ち手も異なってきます。まずは自社がどのタイプにあたるかを見極めると、解決策が見出しやすくなります。ぜひご参考にしてください。
次回は、上記3つのタイプごとに、それぞれが抱えている課題・リスクや解決施策についてお話ししていきます。

執筆者

岸本 耕平 
(人事戦略研究所 シニアコンサルタント)

「理想をカタチにするコンサルティング」をモットーに、中堅・中小企業の人事評価・賃金制度構築に従事している。見えない人事課題を定量的な分析手法により炙り出す論理的・理論的な制度設計手法に定評がある。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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