目標管理 第17回 目標管理のPDCAは古い?
目標管理
少し前からですが、PDCAは古い、今の時代にはナンセンスだという話を聞いたり、記事を見かけたりするようになりました。
デザイン思考、アジャイル、組織形態も絡んできてティール組織など含め様々な思考や手法、組織論が出てきていますが、共通しているのは「柔軟性」「同時並行」「型にはめない」「すぐにやる」等々のようです。
目標管理の典型であるPDCA、PDCAの典型である目標管理ともいえますが、目標管理を「会社の年度目標としての制度」としてみた場合は確かにPDCAという概念がマッチするのでしょう。
PDCAをPから始めることが絶対でそれにとらわれてしまうと近年の批判も確かにその通り、と思うような場面や組織もあります。
一方で、すぐにやるというDから開始を考えた場合、実行した結果、修正つまりCAが必ず入ることになります。このA自体が次のPになるので、結局はPDCAを回している、ということに変わりはないと考えています。
期初の方針や目標を明確にという年間のPありきの組織やマネジメントがうまくいくケースとそうでないケースもありますし、PDCA自体はどこから始めても回り、また、年間に区切らなくても日や時間単位でのPDCAもありますし、頻繁に修正されるPもあるので、どれが正しい、正しくない、時代遅れということではなく、経営あるいは業務をする上で何が大事で何が適している方法なのかの本質を見極めれば、言葉に踊らされずに夢であれ目標であれ、実現することができると考えています。
執筆者
佐藤 耕一
(人事戦略研究所 パートナーコンサルタント)
鉄道会社にて信号通信設備及びITシステムの設計業務を担当し、その後、教育事業会社で管理本部長として学習塾の運営と教育機関向け経営コンサルティング業務に携わる。前職では、電子部品メーカー系列のコンサルティングファームにて人事コンサルティング業務に携わるとともに、部長として同事業部門を率いる。国内外にて、中小企業から一部上場の大企業まで様々な規模を対象にし、あらゆる業種業態への人事諸制度の導入・運用実績がある。経営統合や分社化、経営破綻後人事、新設労働組合対応、海外法人、医療、介護、特殊法人など、豊富な事例と経験があり、特に運用に強みを持つ。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。
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