幼稚園・保育所(園)業 人事制度の構築ポイント

-もくじ-

  1. 幼稚園・保育所(園)業の人事制度を構築するにあたって
  2. 構築のポイント

1. 幼稚園・保育所(園)業の人事制度を構築するにあたって

 昨今、保育に関する報道を頻繁に目にします。一般的には、「少子化の問題」、施設不足による「待機児童の問題」が周知されていますが、「民間企業の保育事業進出」や「子ども・子育て関連3法」「子ども・子育て会議令」に関する取組み等、幼稚園・保育所(園)運営における課題は少なくありません

 全国の幼稚園(国公立、私立)、保育所(認可保育所:公営・私営)、認定こども園を対象とした調査(ベネッセ教育総合研究所:次世代育成研究室2012年調査)によると、保育の実践上・運営上における”もっとも重要な課題”として挙げられたのが、
1位:保育者の資質の維持・向上
その他、上位を占めるところでは、
2位:保育者の確保
3位:施設・設備の充実
4位:予算の確保
5位:新たな園児の獲得
が続きますが、取組みの優先順位は様々なようです。

 さらに上記トップ課題”保育者の資質の維持・向上”への取組みについて、”必要なこと”としては、
1位:給与面での待遇改善
2位:養成課程の教育内容の充実
3位:学び合う園の風土づくり
4位:管理職の指導力の充実
5位:職員配置基準の改善
が上位を占め、他にも”非正規雇用から正規雇用”への転換等、保育者を対象とした「人事制度・教育」への取組みは、最重要事項といえます。

2.構築のポイント

法人理念・経営方針の周知と浸透

 評価項目としては、仕事の成果を評価する『成果・業績評価』と、仕事に対する姿勢や能力およびプロセス、能力などを評価する『職務・プロセス評価』があります。成果・業績評価では、重点テーマ目標達成率、コスト削減率、在庫精度向上などの『仕事の結果』を評価します。また職務・プロセス評価では、保有する技術や技能、知識、また、仕事に対する取り組みなどの『仕事のプロセス』を評価します。

 当然ではありますが、部長、課長のような管理職と、新入社員はじめ、入社年数の浅い社員とでは求められる結果や行動は違ってきます。部長、課長クラスの管理職には、仕事の結果である、『成果・業績』のウェイトが大きくなり、求める成果・業績には責任も伴ってきます。一方入社年数や経験年数の浅い社員や新人社員には、仕事に対する意欲や取組み姿勢にウェイトを置くことになるでしょう。このように、評価制度を考える場合には、職位別に考えていくことが必要になります。

「人の成長」を目的とする

 「人事制度の整備が必要」あるいは「見直しが必要」とお考えの際、まずは「わが園が目指すもの」「期待する人物像」「各自の役割」「求める成果・行動・スキル」「人材育成」について整理する必要があります。人事評価を実施する真の目的は、”人の成長”にあります。 評価結果に基づいて”本人の課題を上司と共有”し、具体的な取組みを始める”教育の機会”として機能させることが肝要です。

〇 等級フレーム/等級基準書

 各職種・職位に応じた「役割・責任」、「求める行動」や「保有スキル」等、仕事内容レベルで、なるべく具体的に分かりやすく表現するようにします。キャリアパス・職務要件の明示により、各人に必要な要件の把握とステップアップの促進を目的とします。等級基準書については、必要に応じて、職種別(経営管理・保育・調理・事務・看護・・・等)の項目を検討・設定することにより、具体的で現場での理解浸透につながります。

等級フレーム(例)

等級フレーム

等級基準書(例)

等級基準書

〇 人事評価表

 職位別に「求める成果・実績」や「求める行動」、「保有スキル・資格」等を評価項目として設定することで、各項目における到達度を明確にします。

 特に重要な課題については、別途「重点テーマ」として、「何を、いつまでに、どのように、どこまで」を設定し、”達成度”と”取組み進捗度”を評価することも有効です。

評価項目(例)

評価項目

評価表(例)

評価表

〇 賃金制度

 給与項目については、「年齢給」「勤続給」や「役職手当」「資格手当」「家族手当」等、”何に対して支給したいのか”に合わせて、全体のバランスを考慮の上、設定します。

 また、”何を反映するのか”、方針を明確にしましょう。一般的には、評価結果がそのまま処遇に反映される仕組みがわかりやすいものになりますが、その他の要素も含めて検討する必要があります。

賃金制度