評価制度の運用ルールを決める

評価期間を決める
人事評価シートを作成した後には、自社の評価制度の運用ルールを決めなければならない。 運用ルールとは、評価対象期間をいつにするのか、誰が誰を評価するのか、評価結果の反映先、評価結果のフィードバックはどのようにするのか、といったことである。
まず評価期間だが、これは決算期にあわせるほうがいい。なぜならば、通常、営業の数値目標などは、上期○○億円、下期○○億円などのように、決算期にあわせて設定するからである。営業マンの評価に売上高目標達成率などの指標を適用していると、目標を達成したかどうかは、上期、下期などの半期ごと、もしくは四半期ごとに確認することになる。したがって、目標設定の期間と評価の対象期間を合わせておいたほうが、評価に妥当性が生まれる。
 
まれに評価期間と決算期(上期、下期)がずれている企業もあるが、毎月の業績数値を管理しており、決算期と評価期間がずれていても集計上、そんなに手間がかからないのであれば、特に問題はない。
 
評価者を誰にするのか
次に決めるのは、評価者を誰にするのかという点である。
基本的には直属の上司が、その部下を評価することになる。また、この一次評価だけでなく、直属の上司の上司が、評価を行なう二次評価も実施するケースも多い。 まれに三次評価を実施する会社もあるが、この段階になると、部下の日頃の行動を把握できないことが多いので、上司評価は、一次評価で留めるか、複数の視点で評価するにしても二次評価までが限界であろう。
 
一次評価、二次評価に関わらず、基本的には上司評価は管理者が実施するほうが良いであろう。
 
評価点の調整をどのようにするか
ほとんどの会社において、複数の部署で複数の管理者が評価を実施することになるので、評価者による点数のバラツキが発生する。このバラツキは、評価者の評価のクセ、すなわち、評価傾向によるものである。この評価傾向による点数の開きが大きくなると、公正な評価ができないので、評価傾向によるバラツキを最小限に抑えることが必要になる。この評価傾向の是正については、別に機会に述べることとし、今回は、評価傾向を抑えた後の評価点の調整について説明する。
 
最初の方法は、評価点のバラツキを機械的に是正する方法である。簡単に言うと、評価者ごとの平均点を算出し、平均点のバラツキを、調整点を加減することにより、平均点の調整を行うものである。
二つ目の方法は、一次評価者の上位者(一次評価者が課長であれば、部長など)が集まって、評価者の評価傾向など考慮して、評価点の調整を行う、調整会議などを実施する方法である。 いずれにせよ、点数水準をきっちりと合わせることを目的とするのではなく、極端な点数を是正する程度の調整と考えたほうがよいであろう。
 
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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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