戦略人事を支える情報技術 導入編
HRテック
これまで3回、戦略人事における問題と、
その解決に使えるツール・システムを
紹介してきました。
ですが、素晴らしいサービスであっても、
上手く活用しきれていない企業を
よく見かけます。
それを防ぐためには、
「導入の前提」と「導入のステップ」に
留意することが重要です。
まず、「導入の前提」として、
次の3点を押さえましょう。
1.解決したい明確な課題
2.今使っているシステムとの連携可能性
3.導入・運用の手間
なお、3に関しては、期間と費用を確かめた上で、
管理画面とユーザー画面が
両方とも使いやすいか、確認しましょう。
確認できなかったり、使いにくいと感じたりしたら、
使えるようになるまでの
十分なサポート体制があるか、確認が必要です。
ITreview等の口コミサイトを見て、
ユーザーの生の声とそれに対する
システム提供企業 の返信を確認することも得策です。
その際、どの規模でも導入できると謳うサービスであれば、
企業規模別 の口コミを確認すると、同じ規模の会社の回答の傾向が見られ、
自社に合ったシステムなのか、判定しやすくなります
次に「導入の前提」を押さえたら、
以下の「導入のステップ」で
進めていくことをおすすめします。
これは私がシステム導入の
数多くの成功事例や過去事例を調べる中での
共通項をまとめたものです。
ステップ1.スキル・活用への関心が高い「少人数」で運用
ステップ2.ステップ1のメンバーでサポートできる「特定の一部門」に運用を拡大
ステップ3.活用目的を全社共有後、「全社」に運用を展開
運用を開始するにあたっては、各人が
「何を目的としたサービスで、会社・自分へのメリットは何か」
はっきり認識することが鍵となります。
「導入の前提」と「導入のステップ」を
きちんと押さえて、
HRテックをうまく活用してみませんか?
執筆者
町田 耕一
(人事戦略研究所 コンサルタント)
大手IT企業にて、自社システム企画・顧客への人事給与システム導入・人事総務等の実務に従事、それぞれで製品化・予定の1/4の納期での導入・迅速な業務遂行による部署内表彰などの成果を出す。
新経営サービス入社後は、人事・情報技術の知見を活かし、人事制度策定・運用だけでなく、HRテックの導入と運用に対する顧客や社会への提案も積極的に行っている。新経営サービス内でのHRテック導入と運用も担当しており、各企業に合うHRテックの導入と運用に明るい。
G検定(AI活用検定)に2019年3月合格後、E資格(AI作成能力)合格者との限定コミュニティ(CDLE、5万名以上所属)で活動。「NEWS+」グループのリーダー。2022年、貢献に対するメンバーの投票等で決まる最優秀賞をグループ・個人とも受賞。
AIに関する法律や倫理を考える「AIリーガル」グループのメンバーでもあり、英国王室公認品質協会(CQI|IRCA)から、世界80か国、2万名以上の会員に発刊された『Quality Magazine』誌2022年秋号のAI特集記事への寄稿にも協力。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。