応諾につながる内定出しの方法

今回は、新卒採用の内定出しの方法についてお話ししたいと思います。
なお、ここでの「内定」とは、選考終了後に行う合格通知、いわゆる「内々定」と同じ意味です。
 
採用活動の終盤において、採用予定3名に対して5名に内々定を出し「これで恐らく3名は採れるだろう」と安心していたら、予想外に3名に辞退されてしまい、あと1名のためにまた説明会から行わなければならなくなった、というようなご経験はないでしょうか。
 
内定を応諾してもらえるかどうかは、内定を出すまでの各選考プロセスでの動機づけに因る部分が大きいですが、最終選考終了後にも工夫の余地はあります。
 
まず、最終面接後の連絡方法として、①直接電話、②メールやナビのメッセージ、③手紙を郵送等がありますが、最も有効なのは①直接電話です。
そして、そこでは「内定が出ました!」ではなく、「おめでとうございます!最終選考合格です。」とお伝えしましょう。
 
この「内定」ではなく「最終選考合格」という伝え方がポイントです。
「内定」と伝えると、その出た内定を受けるか、受けないかという選択権を学生側が持つことになり、会社は選ばれる立場になってしまうからです。
そして、「つきましては、今後のステップの話をしたいので、一度ご来社下さい。」と伝えます。
 
学生が来社した際には、以下のことを行います。
 
 1.これまでの選考での評価
   どんなところを良いと思って合格にしたか。懸念点があれば合わせて伝える。
 
 2.現在の他社の選考状況と志望度の確認
   当社以外にどこを受けているか、第一志望群はどの企業なのか、他社の最終はいつなのか等。
 
 3.内定について
   「選考合格ではあるが、内定ではない。他社を断って入社を決意した時点で内定を出す。
   また、他にも内定を出している学生がいるため、応諾が遅くなれば枠が埋まる可能性もある。」と伝える。
 
このように、1で動機づけをし、2で学生の状況に理解を示したうえで、3で決断を促します。
 
回答期限は1週間。他社状況によっては最大2週間待っても良いですが、それ以上延ばすなら、「決断力が足りない」として内定を出さないことを伝えましょう。
また、学生が決められない場合は何に不安を感じているかを丁寧にヒアリングし、他の社員に会わせる等のフォローを行うことも効果的です。
 
より詳細な内定出しについて等、お知りになりたい場合はご相談下さい。
 
◆関連リンク
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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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