求職者からの応募が増える採用広報の進め方

求職者からの応募を増やすために必要なのが「採用広報の強化」です。具体的には、以下の3点について検討します。

Ⅰ.欲しい人材の採用に繋がる媒体・手法を選定する
Ⅱ.求職者の興味を喚起させるための魅力・強みを洗い出す
Ⅲ.応募を増やすための勘所を押さえて求人原稿を作成する

 

Ⅰ.欲しい人材の採用に繋がる媒体・手法を選定する

売り手市場の進行や転職市場の活発化に伴い、採用媒体・手法の多様化が進む昨今。ハローワーク等の求人掲載型だけでなく、ビズリーチに代表されるスカウト型、合同説明会等のイベント型、人材紹介型、口コミ型、オウンドメディア型など、世の中には様々な採用広報手段が存在します。

そのため、まずは数ある採用媒体・手法の中から、欲しい人材の採用に繋がる採用媒体・手法を選定します。採用媒体・手法を選定する際には、以下3点の観点を押さえると良いでしょう。

 

(1)採用目標人数および採用難易度

例えば、ビズリーチに代表されるスカウト型は、採用難易度の高い即戦力級の人材を採用できる点が主なメリットですが、成果報酬型につき、1人当りの採用コストが高くなるため、採用目標人数が多い場合は、あまり適していない手段と言えます。

一方で、ハローワーク等の求人掲載型は、求人掲載料のみで多くの求職者を採用できるため、スカウト型と比較して1人当りの採用コストが低くなる点が主なメリットですが、即戦力級の求職者と出会える可能性は高くなく、採用難易度の高い人材の採用には、あまり適していない手段と言えます。

このように、自社の採用目標人数や採用難易度を踏まえて、活用すべき採用媒体・手法を選定する必要があります。

 

(2)採用媒体・手法の強みや特徴と欲しい人材との親和性

一見同じような採用媒体ですが、それぞれに強みや特徴があります。例えば、中途採用の代表的な採用媒体である「リクナビNEXT」や「マイナビ転職」は、全国的に知名度があることや30代後半〜40代の人材が多く登録している媒体であることから、地方採用や経験者・マネジメント層の採用に強い媒体と言えます。一方、「エン転職」や「doda」は会員の多くが20〜30代であるため、若手採用に強い媒体と言えます。

以上のように、採用媒体によってその強みや特徴は大きく異なるため、これらを踏まえて、比較的親和性の高い採用媒体を選定することが重要です。

 

(3)地域性

全国的に有名な媒体以外の場合、その媒体が地域での認知度がどの程度であるかを把握することは極めて重要です。

採用媒体会社に要請し、同エリアでの会員数や地元企業の掲載社数などの情報を提供してもらうこと、そしてその情報をもとに採用媒体と地域とのマッチング度を推し量ることが必要です。また、直近で入社した社員にヒアリングし、転職活動時にどの採用媒体を活用していたかを確認することも有効です。

 

Ⅱ.求職者の興味を喚起させるための魅力・強みを洗い出す

中小企業には「若手から第一線で活躍できる」「社風が良く、働きやすい」など、様々な魅力があります。

一方で、このような魅力が求人原稿を通じて、求職者に正しく伝わってないことが多いように感じます。それは、「採用担当者が個人的に考えている自社の魅力・強みをもとに、属人的な企業PRをしていること」が主な原因として考えられます。

人によって志向・価値観は異なるため、採用担当者が伝えたい自社の魅力と、その求職者が知りたい魅力は必ずしも同じではありません。そのため、自社の魅力・強みを考える上では、現場社員も巻き込みながら様々な観点で洗い出しを行い、その中から欲しい人材の志向・価値観を踏まえた魅力・強みを選定・具体化することが重要です。

 

Ⅲ.応募を増やすための勘所を押さえて求人原稿を作成する

求人原稿作成は「いかにトップ画面のインパクトを大きくできるか」が重要です。

多くの求人掲載型媒体は、「職種」「勤務地」等で検索した後に表示される「求人検索結果画面(=トップ画面)」と、閲覧したい企業の求人をクリックした後に表示される「求人詳細情報画面」の大きく2画面が存在します。つまり、「求人検索結果画面」で求職者の興味を喚起できなければ、その時点で求人詳細情報画面が閲覧されることはなく、応募に繋がらないと言えます。

そのため、最初に表示される求人検索結果画面に表示される項目には、洗い出した自社の魅力・強みのうち、求職者へ特に訴求したい内容や、他社と差別化できる情報をしっかり記載することが、求人原稿のクリック数・PV数・応募数の増加へつなげる最大のポイントと言えます。したがって原稿作成の際は、最も訴求したいキーワード(キャッチコピー)が目立つ場所に配置されるよう、掲載イメージを調整してください。

 

Ⅶ.売り手市場の“今”だからこそ、採用・定着施策の抜本的改革を!
採用競争力診断サービスのご案内

弊社では、「応募が集まらない」「応募が来ても求める人材の採用ができない」「採用した社員がすぐ辞めている」等、採用・定着上の問題を抱えているものの、改善すべきボトルネックが分からない中小企業向けのサービスとして採用競争力診断を実施しています。

本診断では、人材採用・定着における問題点とその発生原因、そして採用・定着力の強化に向けた、具体的な課題設定およびアドバイスを実施いたします。ご興味のある方は以下サイトをご覧ください。

 

【採用競争力診断サービス】

https://jinji.jp/hrconsulting/competitiveness/

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

バックナンバー