自己申告制度の活用方法
採用・定着
活用の狙い
前回述べた「人生目標」においては、仕事・プライベートを含む大きな視点から中長期的なプランを作成するのに対し、自己申告制度においては、主に仕事に関する当面の希望を調査するものです。
自己申告制度を実施する狙いとしては、
1:現在の職務への適性や満足度、異動希望を聞き、それを人事異動などの参考資料として活用する
2:上司による指導や、上司と部下とのコミュニケーションに役立てる
3:改善案や提案を挙げてもらい、それを経営施策や業務改善に役立てる
などが挙げられます。
記入フォームの作成
以上の狙いより、記入フォームに盛り込むべき項目としては、
1:自分の「職務」の状況をきくもの(仕事の難易度や量、能力発揮の状況について)
2:所属する「職場」の状況をきくもの(人間関係やコニュケーションについて)
今後の異動希望の有無、キャリア開発に向けて考えていること
その他会社への希望事項
といったところです。
制度導入の留意点
ただし、上記の狙いをもって自己申告を実施したとしても、希望や意見に対するフィードバックがなければ制度に対する信頼がゆらぎかねません。必ず希望をかなえるということではなく、上司面談や提案のあった改善策の実施など、何らかの意思表示をすることが重要です。意見に対するフィードバックと、定期的・継続的な実施を心がけたいものです。
実施頻度としては、高い頻度で計画的にジョブローテーションを実施している大企業では毎年の実施が必要でしょうが、それほどでもないという中堅・中小企業では、2年1回程度の実施で充分だと思います。
また、なるべく社員の本音を聞き出したい場合は、直属上司を通さずに人事部門や上層部への提出とするなどの配慮も必要です。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。