人材採用戦略の描き方
採用・定着
人材の採用は企業の成長と存続を考えるうえで、必要不可欠な活動です。しかし、特に中小企業においては、採用マーケットにおけるポジションの弱さや、採用手法の未熟さ等により、思うような人材を得られないことが多いのもまた事実です。実際に09年度新卒採用では、採用数において当初の計画を充足できた中小企業は少ないと聞いています。
採用で成功する会社としない会社
しかし、単に「中小企業だから採用できない」と断じるのは早計です。実際には中小でも新卒採用に成功している会社もあるわけで、その差は何なのかを突き詰めると、
「早期に適切なプランニングを行い、正しい方法論で戦略を組んでいるかどうか?」
「経営トップが総責任者として社内を巻き込み、採用活動に時間を割いているかどうか?」
にあると感じます。
まず、「適切なプランニングと正しい方法論」という点では、細かくは様々な手法がありますが、大きくは以下のような戦略を体系的に組み、整合性を図りながら実践していくことが必要になります。
新卒採用/中途採用のメリット・デメリット
会社によっては、職務特性や教育システムの状況により、新卒採用と中途採用を使い分ける、もしくはどちらかに特化するなどの戦略をとります。
そこで、一般的に考えられる以下のメリット・デメリットをもとに、自社なりの軸足を検討いただければと思います。
ただし、新卒採用のみに偏ると価値観の同質化を招き、中途採用のみに偏ると価値観の分散を招く恐れもあります。やはり、新卒者を定期採用し、各年代で核となりうる人材を確保したうえで、中途採用の人材とミックスさせることで、多様性のある組織を構築していくのがベストではないかと考えます。
いずれにせよ、組織の長期的な成長と存続を念頭に置き、自社の求める人材像や採用ポテンシャルから最適なバランスを図りたいものです。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。