新人の離職は上司の責任か!?~配置による離職率低下の方法

はじめに
新人の入社から3ヶ月が経過しました。
 
順調に組織になじんでいっている人と、ややギャップを感じ始めている人が分かれてくると思いますが、その差は配属された上司との関係に大きく左右されます。
 
今年の新入社員の傾向だとか、最近の若者像がどうだとかは、様々な場所で論じられていますのでここでは割愛しますが、いずれにせよ「世代間ギャップ」があるのは当然のことです。それを吸収できずに「片方が正しい、片方が間違っている」と二元論的に断じてしまうと、組織にとって何の成長も起こりえません。
 
我慢できる上司と我慢できない上司
ギャップを感じたときに、上司がすべてそれに冷静に対処できる「器の大きい大人」であれば良いのですが、上司も人の子、どうしても我慢できないということがあるのも確かです。そのギャップに我慢できるできないを分ける差は、お互いの価値観や、先天的な気質・性格に大きく影響されます。そして、上司・部下の二人が「似たような価値観」「似たような気質・性格」の持ち主であれば、お互いに波長が合い、我慢できないギャップが発生する可能性も低くなります。
  
もちろん、上司としてのマネジメントスキルの差も離職には影響しますが、実はこの「潜在的・先天的な価値観・気質・性格」に、その結果が左右されていることも事実なのです。
 
本人の個性をつかむ方法
個性は、本人の自己認識や周囲からの評価だけでは容易に測定はできません。主観で判断する際には、先入観や固定観念という自分の色眼鏡で人を見てしまいます。そこで、客観的に本人の価値観・気質・性格をつかむために、当社では「仕事潜在能力診断」というツールをご提供しています。
  
上司と部下の両方が診断を行い、人事としてできるだけ相性の合う組み合わせで配置するわけですが、ある大手企業でこの手法を導入したところ、新入社員1年目の退職率が通常10%以上だったのが、1.5%に低下したという結果が出ています。
  
中小・中堅企業では、現実には診断結果だけを元に配置するだけの人的余裕はないと思いますが、少なくとも上司が自分自身と部下のパーソナリティの傾向について理解しておくことで、マネジメントするポイントがつかめ、今まで我慢できずに感情的に反応していたことに対して冷静に対処できるようになります。
  
せっかく高いコストをかけて採用した人材が、1年も経たないうちに辞めてしまう事態はお互いにとって傷を残します。全く防げない退職は別として、防げたはずの退職を繰り返さないためにも、新たな配置施策を展開していきたいものです。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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