2013年度新卒採用は短期決戦か!?

日本経団連が2011年1月に「新卒者の採用選考活動の在り方について」というタイトルで新卒採用の倫理憲章改定を発表した影響で、2013年度採用において、リクナビやマイナビ等の大手就職サイトのオープン12月1日となりました。また、就職合同説明会や大学内での企業説明会の開催も12月以降と、例年より後ろ倒しとなりました。(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/001.html
 
しかし、開始が遅れる一方で、大手企業の選考開始時期はこれまでのとおり4月1日になる見込みです。なぜなら、2012年度採用において、震災の影響を受け、採用スケジュールを後ろ倒しにした大手企業が優秀な学生の確保に苦労したためです。 このことから、テレビや雑誌、新聞等では、今年の就職活動は12月から翌4月までの「短期決戦」であると、大きく取り上げられています。
 
このような動きに合わせて、大手以外の新卒採用を行う企業も、採用活動計画の見直しが必要となります。では、具体的にどのようなことを考慮して、採用計画を立てれば良いでしょうか。「短期決戦」と言われることから、短期間に露出を増やし、多くの志望者を集めることが必要でしょうか。
 
この「短期決戦」という言葉には注意が必要です。実際に「短期決戦」となるのは、一部の大手・有名企業と、そこに採用される一部の優秀な学生のみであり、その他の企業は、例年どおりかそれ以上に採用活動が長期化することが予想されます。
 
なぜならば、短期決戦という言葉に煽られ、12月から多くの企業にエントリーをしたり、会社説明会に申し込んだりしている学生が多いものの、その大半が、準備が十分でないまま就職活動に臨んでおり、志望先も安直に大手企業に偏っています。
その結果、4月上旬に内々定を得られる学生は、一部の優秀層のみであり、大手・有名企業から内々定を得られなかったその他大勢の学生は、4月以降に改めて就職について考えたり、中堅・中小企業を探し始めると考えられるためです。
 
そこで重要なのは、採用活動の基本に立ち返って以下の二点を明確にすることです。
1.求める人材は、どこにいるどんな学生なのか。
2.求める人材に対して、どのように自社の情報を伝え、入社動機を高めるか。
 
上記の二点は、採用活動の計画、母集団形成、情報提供、選考、内定出しの全ての場面で非常に重要ですが、これらが明確でない企業が意外と多いのも事実です。
 
まずは、この二点を社内でのミーティング等で明確にしたうえで、採用活動計画を見直し、そのうえで、就職サイトの掲載内容を工夫する、その他の母集団形成方法を検討する、説明会の開催時期や内容を見直す等の、具体的な方法の見直しを行っていただきたいと思います。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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