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キャリアパスの見える化⑦

2021年06月01日 カテゴリ:分析・診断

執筆者:岸本 耕平

人事戦略研究所 シニアコンサルタント

大学卒業後、大手パッケージソフトウェア会社に就職。企業が持つ人材価値の最大化の実現を目指し、人事管理ソフトの企画・開発に取り組んだ。新経営サービス入社後は、「理想をカタチにするコンサルティング」をモットーに、中小企業の人事評価・賃金制度構築に従事している。特に、中小企業ではなじみのない人事データの定量分析手法を用いての多角的な分析を軸にしたコンサルティングを得意としている。

前回は、専門職制度設計のポイントをお伝えしました。今回は専門職制度の設計事例をご紹介したいと思います。

 

◆専門職を細分化する

一定等級以上は管理職と専門職の2つに分岐する。このような形で等級制度を組み立てている企業は多いと思います。ただ、研究開発型メーカーのA社では、専門職を求める役割の違いによって2つに分けた専門職制度を導入しています。

(2つの専門職の大まかな役割は以下、参照)

a)スペシャリスト職・・・高度な専門性を駆使して、自社の技術力アップに取り組む

b)エキスパート職 ・・・これまで培った経験を駆使して、現場改善や後進の指導を行う

 

このような専門職制度をなぜ導入したのか、背景や制度設計時のアプローチを整理すると以下のようになります。

 

① A社では、「管理職と同等に処遇したい専門性をもつ社員」を処遇するための枠組みとして専門職制度を予てから導入していた。

②しかし、制度運用を続ける過程で、当初想定していた人物像と合致しない者まで専門職として処遇してしまったため、専門職の位置づけが曖昧になっていた。

③この問題について、A社は制度運用の適正化を図ることで、専門職制度を当初の意図通りに運用したいと考えていた。

④ただ、専門職としての本来の役割を担っていない社員を今まで通り専門職に置くべきかどうかという課題がある。

⑤仮に、専門職に置いた場合、専門職の中で本来会社が想定していた役割を担う者とそうでない者が混在した状態は残るというデメリットが生じる。逆に、専門職に置かない場合、実質的に降格させることになり、該当者のモチベーションを下げる結果になる恐れがある。

⑥上記を踏まえて、制度改定は以下の方向性で実施することになった。

 ・専門職として既に処遇されている社員は、改定後も専門職として処遇する

 ・専門職の中での役割の違いによって、現行の専門職をスペシャリスト職とエキスパート職に細分化する

 ・専門職を細分化した上で、人事評価の内容や賃金面に差異をつける

 

ご紹介する事例は以上となります。もし同様の問題を抱える方の参考になっていれば幸いです。

 

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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