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評価と教育をリンクさせる ⑥

2015年04月20日 カテゴリ:人事考課(人事評価)

執筆者:森谷 克也

人事戦略研究所 統括マネージャー

事業会社で営業職や販売管理職を経験した後、前職ではマーケティング・営業強化のコンサルティングに従事。現在は、5~10年先の内部環境・外部環境を想定し、企業の成長を下支えする「組織・人事戦略」の策定・運用が図れるよう、≪経営計画 - 人事システム - 人材育成 ≫を一体的にデザインする組織開発コンサルタントとして実績を積んでいる。また、カタチや理論に囚われない、中小企業の実態に即したコンサルティングを身上とし、現場重視で培った独自のソリューションも多く開発している。

多面評価(360度評価)の活用①

「部下が上司を評価する仕組みを検討したい」
という相談を受けることがよくあります。色々と議論する中で、人事評価制度として活用することはほとんどありませんが、活用できる事例もあります。
これから何回かに分けて、上司が部下を評価する以外の評価(多面評価、360度評価)について述べていきます。

まず、多面評価を人事評価として機能させる上で難しい点について挙げてみましょう。

<縦方向の評価として>
縦方向で考えられるのは、①上司からの評価、②部下からの評価です。
①は通常の人事評価ですので、ここでは割愛します。
②の問題点として、正確な評価が出来ないことが挙げられます。上司が正しい評価をできるのは、部下がなすべき仕事(成果、必要な職務プロセス)を分かっており、自分自身もその経験をしたことがある、という前提がありますが、部下ではその見識・経験がなく、正確な評価が難しいと言えます。

<横方向の評価として>
横方向で考えられるのは、③他部署からの評価、④顧客・取引先からの評価です。
共通して言えるのは、普段の業務内容を見られず、あくまで一面を見ているに過ぎないことです。縦方向の評価と同じく、正確な評価が難しいと言えます。

人事評価における多面評価について、本来の目的に立ち返ってみると、「上司だけでは評価できない、様々な観点を取り入れたい」ことであると考えられます。
であれば、「部下マネジメント状況」「他部署との連携」「顧客・取引先への対応」について評価項目に記載し、その部分のみ多面評価を実施することで十分に目的を果たせますが、全て行うのは手間と時間がかかり過ぎます。
それなら、これらを人事評価項目に入れておき、上司が日常業務においてそれぞれの対象にヒアリングし、その評価事実をもとに評価点をつければ事足りる、ということになります。

以上の前提に立つと、多面評価を給与考課・賞与考課にそのまま取り入れるのは無理があると言えますが、少し工夫を加えると活用方法もあるものです。
次回は、多面評価の実施事例をご紹介します。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。