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定年再雇用制度改定の進め方

2014年10月02日 カテゴリ:労務関連

執筆者:森中 謙介

人事戦略研究所 コンサルタント

大学院では会社法務・労働法務を中心とした法律学の研究に従事。新経営サービス入社後は、主に中堅・中小企業を対象とした人事評価・賃金制度構築のコンサルティングを行なう。労務管理の分野にも精通し、最近では「残業削減」をテーマにしたセミナーや雑誌記事の執筆「改正労基法への実務対応①~④(人事マネジメント誌)」など、精力的に活動している。

企業の高齢化が進展し、60歳以上社員の定年再雇用制度を見直す動きが増えてきています。見直しのやり方は各社各様ですが、再雇用者のモチベーションを高め、60歳以降も活躍してもらうことを目的としています。しかしながら、打出す方向性がどうも現場の再雇用者の感覚とずれているような例も見受けられます。企業の経営者、人事担当者は、再雇用制度の見直しについて十分に現場の声を取り入れることが出来ていないのではないでしょうか。

再雇用制度改定を行うにあたっては、当たり前と言えば当たり前ですが、現場の感覚を十分に把握することが必要です。例えば会社は再雇用後に給与が下がることがモチベーション低下の要因と決めつけがちですが、実際にはそうではなく、「仕事の評価がされなくなったこと」であったり、「やりがいのある仕事が出来なくなったこと」など、様々な要員が絡んでいるケースがほとんどです。

こうした認識のズレを防止するため、次のような方法をご提案しています。まずは、再雇用者本人と面談を行います。ストレートに、「今の仕事内容や働き方、処遇に対する希望又は不満」「どういうことにモチベーションを感じているか」「職場環境はどうか」といったことをヒアリングしていきます。この時、再雇用者本人だけに話を聞くのではなく、再雇用者の上司である管理者にも話を聞くようにします。再雇用者が言っていることが独りよがりなことではなく、上司にとってもマネジメント上問題視すべきことなのかどうかを検証することができます。尚、今後数年内に再雇用になる予定の50代後半の社員の声も聞いておきましょう。今後対象になる社員が60歳以降モチベーションを高くもって仕事に臨めるかどうかは、その後に続く人にとっても重要です。

次に、匿名アンケートを実施します。内容は再雇用制度の運用全般に関することから、職場環境、モチベーションの状況、今後チャレンジしたいことなど、シニア社員として働くことに対する意識を調査します。実際の面談では言いにくいことも匿名であれば言いやすいことも多いため、辛辣なものも含めて様々な意見が出てきます。また、対象者の区分(再雇用者か、上司である管理者か、再雇用予定者か)によって少し質問内容は変える必要があるでしょう。通常の制度改定と比べて確実に手間はかかりますが、上記の面談記録と併せて匿名アンケートの結果を分析することで、現場の感覚に沿った再雇用制度の改定が可能になります。弊社でも再雇用制度の見直しにあたって行ったアンケートの事例が複数ありますので、ご関心のある企業様はお問合せください。

定年再雇用のテーマは、高齢化していく組織の中で中高年齢層の処遇やキャリアをどのように構築していくかという、本質的に大きな問題を抱えていると考えます。単に人事制度を見直せばいいということで先走ってしまうと、問題を見誤ることもありえますので、十分に注意してください。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。