評価エラーとその対策②

前回の記事では、逆算化傾向と寛大化傾向・厳格化傾向についての原因と対策を紹介しました。今回は、中心化傾向と分散化(極端化)傾向について紹介します。

 

1. 中心化傾向

適切にメリハリを付けられずに、標準(真ん中)に評価が集まること。

 

■ 主な原因

・自身の評価に自信がない

・部下の能力や行動を的確に把握していない

・評価に差を付けることで部下から嫌われたくないと考えている

・評価基準が曖昧であり、評価がしにくい など

 

■ 主な対策

・自信のない評価については上位評価者と相談し、進めていく

・日頃から部下と面談を行い、部下の行動事実を観察する

・評価基準を4段階もしくは6段階にし、中心をなくす

・評価項目や基準を分かりやすくする など

 

4.分散化(極端化)傾向

少しの差を必要以上に大きくして、最高あるいは最低の評価に偏ること。

 

■ 主な原因

・中心化傾向を意識し過ぎる(評価に差を付けなければならないという意識)

・部下の能力や行動を的確に把握していない

・評価に差を付けることで、部下のやる気を引き出そうと考えている など

 

■ 主な対策

・評価項目や基準を正しく理解するために、評価者間での擦り合せを行う

・日頃から部下と面談を行い、部下の行動事実を観察する

・感情ではなく、観察した事実を根拠に評価する

・評価基準をしっかりと理解する など

 

中心化傾向や分散化(極端化)傾向に陥らないためには、評価基準をしっかりと理解するとともに、部下の日頃の行動について十分な情報収集を行い、その事実を根拠に評価をすることが必要です。いま一度、こういったエラーに陥っていないかチェックしてみてください。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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