働き方の多様性の法的側面と施策について

働き方の多様性と聞いてイメージされるのは「在宅勤務」や「時短勤務」が挙げられますし、様々な施策がありますが、今回は法的側面から取り上げます。施策として大きく、①通常勤務、②裁量労働、③事業外みなし、④フレックスタイムの4つになります。
 
①通常勤務は、その名の通り、通常勤務です。一日8時間などの定めによりますので、6時間などの時間設定をすれば時短勤務を組み込むことが可能です。こちらにはシフト勤務などもあり、時間を自由に設定できるため、午前や午後のみなどといった勤務体系にすることも可能です。また、どこで勤務するかを定めることで、在宅勤務にも対応することが可能です。ただし、在宅勤務の場合、就業時間があいまいになる傾向にありますので、オンラインで常に業務を管理するなどITの導入なども求められます。
 
②裁量労働は対象業種が限られるなどの問題もありますが、今年1月に対象職種を拡大し、これまで認められていなかった提案型営業なども含まれるようになりました。本人の業務遂行や労働時間が労働者に委ねられるため、時短勤務と改めて設定せずとも運用することが可能です。ただし、業務量や本人の能力などを十分考慮した上で導入の可否を判断することが求められます。在宅勤務は労働者自身で自由に設定し、運用することも可能です。
現在、厚生労働省がホワイトカラーエグゼンプションの一環として、裁量労働と合わせて成果報酬の導入も検討されていますが、結果的に長時間労働を助長する可能性もあり、心身の健康への影響も考慮されるため、労働組合などが強く反対しているのが現状です。 裁量労働は自由に運用できる一方で企業としての対応方法が問われるものとなっています。
 
今回は「通常勤務」「裁量労働」の2つを見ていただきました。次回は「事業外みなし」「フレックスタイム」を見ていきます。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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