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新しい人事制度が、誤解されないために

2021年03月10日 カテゴリ:人事制度

執筆者:西澤 美典

人事戦略研究所 コンサルタント

大学卒業後、前職の製造系ベンチャー企業にて営業・人事・総務等の実務を経営者の間近で従事。 「社員」と「経営者」の両方の視点から、自社のブランディングに取り組み、自分たちの存在定義を明確にすることで、働く人の意識、商品の方向性、企業文化が構築されていくことを体感する。 経営者のビジョンを大切にした、想いがつたわる人事コンサルティングを行っている。

新人事制度の導入は、まず社員説明から始まりますが、この社員説明の最初に伝えるであろう「制度概要」をどんな説明とするかは、とても重要です。専門用語だらけの人事制度を、いかにわかりやすく表現するか。そう考えて、端的に伝えようと言葉を削ぎ落し過ぎると、かえってよくないこともあります。制度概要の内容次第で、社員の理解度や、制度に対する心象が変わってくる可能性があることに留意し、どんな表現にするのかを考えることが大切です。

昨今、ニュースサイトで、「〇〇グループ、年功賃金を廃止。成果重視へ」といった記事をたびたび見かけます。ニュース記事のコメントを見ると、読者の反応を確認できますが、これらの見出しの多くは、読み手に誤解を与えているようです。
見出しの字面を見れば、年功賃金を廃止=年齢に関係のない賃金体系になり、成果重視=成果をあげる人ほど重要視されて報われる、ということになります。年齢を問わず、成果を出すことができれば報われ、長年勤めてきた人でも、もし成果を出せないのであれば報われない。コメントの多くはそう解釈しているようでした。
しかし、記事の内容には、一般職は職務能力に応じた給与制度へ改定する、と書かれていました。「年功賃金を廃止」とは、年齢や勤続と共に給与があがる年齢給/勤続給を廃止することでしたが、見出しのインパクトが大きく、専門用語が含まれる内容までは、充分に読み込まれなかったのでしょう。

実際、社員説明会においても、年齢給や勤続給を廃止するということをストレートに伝えてしまい、そこだけがクローズアップされて、本来の趣旨が伝わらず、社員の不安や反発を招いてしまうということがあります。一度聞いただけでは理解が難しい人事制度の中で、年齢給/勤続給というのは、根拠が明快なしくみです。それらが廃止となれば、他にどのように給与が決まるのだろう、と社員の皆さんはきっと不安に感じるでしょう。そうするとその後の説明も、頭に入り難くなることもわかります。

そうならないような説明にするためには、①ネガティブ表現を控える ②目的やプラスの具体的要素を伝える といったことに気を付けてみてください。
①は例えば、廃止・削減などの言葉を、見直し・適正化などに置き換えると良いでしょう。廃れる、減らす等のネガティブに受け取られてしまうような言葉を使わないようにします。
②は例えば、(年齢給・勤続給を廃止する場合であれば)「職務能力に応じた報酬体系にします」「賞与への成果反映割合を増やします」などの表現が考えられます。多少長くはなりますが、誤解を減らすことができます。

ものごとの変化に対して、人は敏感な生き物ですから、第一印象はできるだけ良くしておきたいものです。社員のキャリアを左右する可能性のある、大切な人事制度の概要説明について、伝え方をぜひ工夫をしてみてください。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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