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新型コロナウイルスによる、企業の人材マネジメントへの影響

2020年08月10日 カテゴリ:人事制度

執筆者:岩下 広文

人事戦略研究所 上席コンサルタント

大学卒業後、国内事業会社において人事・総務等の実務に従事。その後、人事アウトソーシング会社、及び、外資系大手コンサルティングファーム(※監査法人系)にて人事コンサルティング業務に従事した後、現職。人事評価・賃金制度構築や退職金制度設計だけでなく、組織・人事面における幅広いテーマでのコンサルティング経験を有する。人事の実務経験を活かした運用性の高い制度設計に定評がある。

日本において新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから、早半年が経とうとしています。当所は(私も含めて)多くの人が「一過性のことだろう」と考えていましたが、残念ながら未だ収束の見通しは立っていません。それどころか、5月~6月にかけて一度落ち着いた感染者数は、7月に入ってから急増しており、気づけば過去最多の感染者数(※一日当たり、全国)を記録する事態にまで陥っています。

言うまでもなく、新型コロナウイルスによって、企業の経営活動は大きな影響を受けており、人材マネジメント領域もその例外ではありません。4月の緊急事態宣言に伴う休業・在宅勤務の緊急実施、移動制限や接触回避による採用活動の停止・遅れ、集合多型教育の延期・中止、業績悪化に伴う賞与の減額・・・など、人材マネジメントに関する多くの分野において様々な負の影響が既に生じています。

収束の見通しが立たない以上、「with コロナ」のスタンスで新しい人材マネジメントのあり方を模索していかざるを得ない状況となっていますが、そのためには、まず「新型コロナウイルスによって自社の人材マネジメントにどのような支障・問題が発生しているのか?」を整理することが必要不可欠です。

以下では、新型コロナウイルスによる人材マネジメントへの影響のうち、「現在」において既に発生している支障・問題の一例を掲載しています(※以下に掲載の支障・問題については、弊社の認識・推察に基づく一般論であり、特定企業を対象とした内容ではありません)。自社の実態把握や問題整理、その後の「コロナ対応型人材マネジメントの検討」を行うにあたっての一助となれば幸いです。

 

●新型コロナウイルスによる人材マネジメントへの影響(支障・問題)

【要員管理】

休業要請や業務の急減、(それらを受けての)資金繰りの悪化などにより、従業員の雇用を維持することが非常に厳しくなっている。

採用停滞や配置・異動制限などによって、事業所や部署ごとに必要な人材(量・質)を計画通り充足することができない。 ・・・など

【採用】

移動制限や接触回避などに伴い、採用活動そのものが滞っている。もしくは、採用フローは継続していても、対面での面接ができない。

新型コロナウイルスの影響により、人材募集に対する応募が急減しており、必要な人材(量・質)を獲得することができない。 ・・・など

【教育】

4月入社の新卒社員に対して、従来型(対面・集合式)の新入社員教育を実施できていない。また、予定していた階層別研修も実施できていない。

在宅勤務や部分休業の実施により、上司と部下の接触頻度が減少し、本来必要となるOJTが十分に実施できていない。 ・・・など

【配置・異動】

4月入社の新卒社員へのトレーニングが未実施のため、本来予定していた時期、部署・PJに新卒社員を配置・アサインすることができていない。

在宅勤務や部分休業の実施などにより、本来予定していた部署異動を行うことができていない。

移動制限や在宅勤務・部分休業の実施などにより、本来予定していた勤務地異動(転勤)を行うことができていない。 ・・・など

【勤怠管理】

移動制限要請や社員の安全管理のため、在宅勤務を適用せざるを得ないが、環境やルールが整備されていない。

在宅勤務を適用している社員について、実効性のある労働時間管理ができない。また、そもそも、勤務状況を逐次確認することが難しい。 ・・・など

【モチベーション管理】

休業や在宅勤務の対象となっている社員、逆に感染リスクがある中で出社せざるを得ない社員のモチベーションが低下している。

休業や在宅勤務の対象となっている社員、逆に感染リスクがある中で出社せざるを得ない社員について、会社へのロイヤリティが低下している。

上記のようなモチベーションダウンやエンゲージメント低下に対して、様々な制限がある現在の状況下では、効果的な対策を実践できない。 ・・・など

【メンタル管理】

休業や在宅勤務の対象となっている社員、逆に感染リスクがある中で出社せざるを得ない社員のメンタルヘルスが悪化している。

上記のようなメンタルヘルスの悪化に対して、様々な制限がある現在の状況下では、効果的な対策を実践できない。 ・・・など

【人事評価】

在宅勤務の対象となっている社員について、直接的な行動観察を上司が行うことができないため、プロセスを評価することが難しい。

休業の対象となっている社員について、当該期間が含まれる評価期間において休業期間をどのように取り扱うべきか、判断が難しい。 ・・・など

【報酬(賃金)】

売上の急減に伴う資金繰りの悪化により、毎月の給与についても従来通り支給することが厳しくなっている。

当年度上半期の業績は相当な悪化が見込まれるため、冬期賞与については大幅な減額支給が避けられない。 ・・・など

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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