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現状分析・診断事例①

2018年10月20日 カテゴリ:分析・診断

執筆者:岸本 耕平

人事戦略研究所 コンサルタント

大学卒業後、大手パッケージソフトウェア会社に就職。企業が持つ人材価値の最大化の実現を目指し、人事管理ソフトの企画・開発に取り組んだ。新経営サービス入社後は、「理想をカタチにするコンサルティング」をモットーに、中小企業の人事評価・賃金制度構築に従事している。特に、中小企業ではなじみのない人事データの定量分析手法を用いての多角的な分析を軸にしたコンサルティングを得意としている。

今回から、私が過去に携わった現状分析・診断事例をもとに、現状分析手法を活用した具体的な課題解決のアプローチ方法をお伝えしたいと思います。

<診断前>
A社は社員100名前後の商社。
大卒新入社員を毎年採用しており、入社5年前後で一人前になってもらうことを育成方針に据えている。
現状、20代後半の退職者が多く、当該世代の賃金水準に問題があるのではないかと考えている。

<診断後>
20代後半の賃金は、同業他社を大きく上回る社員と大きく下回る社員に分かれる。
前記を踏まえると、20代後半の賃金水準は同業他社と比較して必ずしも低いとは言えない。むしろ、一人前になったばかりの20代後半から給与・賞与に大きなメリハリをつけることが退職を誘発する要因ではないか。

<課題解決に向けて>
 分析・診断結果をもとに、A社の経営陣とディスカッションを行うと、以下のような点が今回の制度改定で取り組むべき課題であるという結論に至りました。
パフォーマンスに応じて処遇にメリハリをつけることは自社の価値観と合致している。そのため、評価制度は売上高・粗利高といった数値結果のみで行ってきた。
ただ、20代後半はすぐに結果が出せる人とそうでない人に分かれてくる。
また、結果が出せるか否かは、上司・先輩が若手社員をどれだけフォローしたかにもかかってくる。
以上を踏まえると、今回の制度改定では賃金制度の改定は行わず、評価制度の改定を行うものとする。具体的には、数値評価のみではなく、階層ごとに合ったプロセス評価(例:上司・先輩は部下育成や後輩指導、若手社員は業務知識・技能の取得 など)を導入して結果以外の側面も評価対象とする。

<まとめ>
 上記事例をみると、当初漠然としていた問題意識が現状分析を通してクリアになっていく過程が読み取れるかと思います。また、クリアになることによって、より適切な課題設定ができるようにもなりました。この点が現状分析を行う最大のメリットです。問題が起こるとすぐにでも解決に取り組みたい気持ちも理解できますが、そういった時こそ現状分析によって適切な課題設定を行うようにしてください。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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