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企業の成長段階と人事改革②

2018年10月01日 カテゴリ:戦略的人事

執筆者:飯塚 健二

人事戦略研究所 マネージャー

独立系システム開発会社にてSE・人事・経営企画等の実務を経験。その後、大手金融系シンクタンク、監査法人系コンサルタント会社にて人事コンサルティングに従事した後、現職。中小企業から大手企業まで規模を問わず幅広い人事・人材育成コンサルティング実績を持つ。 経営戦略の実現に向けた人事制度改革・定着化や要員・人件費マネジメント等のハードアプローチに加え、言語科学や行動科学の知見を活かした人材開発(コミュニケーション研修やビジネススキル研修、コーチング・ワールドカフェ等)を手掛ける。iWAM®認定マスター107-0001取得。

前回から、戦略的人事を進めていくプロセスをテーマに、企業の成長段階を3段階に分け、その段階に応じた人事改革の進め方のポイントについて取り上げています。前回は、企業の成長段階における最初の段階として、「強力なリーダーシップによる統制」段階を取り上げ、そのリーダーシップを活かして改革を進めることが肝要であることをお伝えしました。

今回は、2つ目の成長段階を取り上げてみたいと思います。最初の段階にある企業が、組織規模の拡大や経営者のバトンタッチなどにより、強力なリーダーシップの限界が見えてくると権限委譲が必要になってきます。そうすると次の段階である、「組織化(権限委譲)による統制」が必要になってきます。

この成長段階における改革は、最初の段階に比べると、強力なリーダーシップ(例えば、創業者のカリスマ性等)がないため、目指すべき方向性をしっかりと明文化して示すことが重要になってきます。人事理念(過去ブログを参照http://jinji.jp/blog/blog01/2017/11/20-252512.php)や人事制度もその一つと言えます。いわば、社員のベクトル合わせの源となりうるものをしっかりと形として残すことが肝要です。創業者から次の経営者に引き継ぐタイミングなどで人事制度の構築を行いたいといった依頼が多いのもうなずけます。

現場の巻き込み方ですが、この成長段階ではある程度組織規模が大きくなっており、トップひとりがすべてを把握・掌握することが物理的にも困難です。そのため、経営と現場との意識のギャップを抱えているケースが多い傾向にあります。したがって、現場の実態を、社員アンケートやインタビュー等を通じて把握することが改革を進める上で有効な手段と言えます。自分の意見を発露する機会が少なくインタビュー等は経験則的にも効果的であることが多いです。但し、アンケートやインタビューの結果に対して、会社側のレスポンスは必須です。「色々なアンケートは行うけど、やりっ放しでどうなったか分からない」という企業がよくあります。こうなると、社員からは、「またアンケートか」「アンケートばかりとっても意味がない」といった反応になってしまい、社員の本意を吸い上げることができなかったり、改革に対して否定的あるいは懐疑的になってしまったりするので注意が必要です。

また、改革の体制としては、トップが中心となるというよりも、人事機能を司る人事部長が、プロジェクトの中心となり、トップにも必要に応じて参画・コミットメントを得ながら、進めていくことになります。トップの方向性を押さえて、いかに後ろ盾を得るか、また改革の実行者となる各現場の部門長などの関係者をいかに巻き込んでいくかが、改革を進めていくうえでのポイントと言えます。

今回は、企業の成長段階として「組織化(権限委譲)による統制」段階を取り上げ、現場の声に耳を傾けながら改革を進めることが肝要であることをお伝えしました。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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