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同一労働同一賃金ガイドライン案の注目点

2017年03月01日 カテゴリ:人事制度

執筆者:山口 俊一

人事戦略研究所 所長

人事コンサルティング、講演、執筆活動を中心に活躍している。職種別人事をベースにした独自の発想と企業の実状に沿った指導により全国からコンサルティング依頼を受け、定評を得ている。現在までに中小企業から一部上場企業まで、200社以上のコンサルティング実績を持つ。主なコンサルティングテーマは人事評価・賃金制度の構築、組織運営など。

同一労働同一賃金ガイドライン案 が公開されました。

同一労働同一賃金ガイドライン案とは、厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」によると、

本ガイドライン案は、正規か非正規かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定するものです。 いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかを示しています。
この際、典型的な事例として整理できるものについては、問題とならない例・問題となる例という形で具体例を付しています。
なお、不合理な待遇差の解消に向けては、賃金のみならず、福利厚生、キャリア形成・能力開発などを含めた取組が必要であるため、これらの待遇についても記載しています。
本ガイドライン案については、今後、関係者の意見や改正法案についての国会審議を踏まえて、最終的に確定するものです。

となっており、法改正はこれからですが、このガイドライン案が基になり法制化されそうです。

賞与についても、貢献に応じて非正規社員にも支給対象とすべきとした点が、これまでの議論より、一歩踏み込んだ内容となりました。

このまま法改正が進むと、バブル崩壊後に低賃金の非正規社員を増やすことで収益確保してきた小売・飲食・サービス業にとっては、多額の人件費増になることが予想されます。

ガイドライン案の一部を抜粋すると、以下のような記述となっています。

<基本給について、労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合>
基本給について、労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の職業経験・能力を蓄積している有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、職業経験・能力に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、蓄積している職業経験・能力に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。

<賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合>
賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の貢献である有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。

<通勤手当・出張旅費> 有期雇用労働者又はパートタイム労働者にも、無期雇用フルタイム労働者と同一の支給をしなければならない。

要するに、仕事内容で経験・能力が同じなら、正規・非正規という理由で賃金差をつけてはならないということです。ただし、本ガイドライン案の中では、同じ仕事であっても幹部候補生である若手社員とパート社員の賃金差は「問題にならない」ケースとして例示されました。この例示を使えば、多くの会社は現状が正当化されそうにも読み取れます。

法改正までには、まだまだ紆余曲折が予想されますので、当面は「先走って対応策を決めてしまうのではなく、法制化のニュースに注意を払っておく」ことをお勧めしたいと考えます。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。