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評価と教育をリンクさせる ①

2013年11月22日 カテゴリ:人事考課(人事評価)

執筆者:森谷 克也

人事戦略研究所 統括マネージャー

事業会社で営業職や販売管理職を経験した後、前職ではマーケティング・営業強化のコンサルティングに従事。現在は、5~10年先の内部環境・外部環境を想定し、企業の成長を下支えする「組織・人事戦略」の策定・運用が図れるよう、≪経営計画 - 人事システム - 人材育成 ≫を一体的にデザインする組織開発コンサルタントとして実績を積んでいる。また、カタチや理論に囚われない、中小企業の実態に即したコンサルティングを身上とし、現場重視で培った独自のソリューションも多く開発している。

人事評価の目的は、「処遇」と「教育」への活用です。「処遇」については、賞与や昇給、昇格などに活用している企業も多いですが、「教育」については如何でしょうか?
「処遇」への活用だけが目的であれば、一般的な人事評価表を用い、上司が主観で評価すれば、被評価者の実力と評価結果に大きな差はでないでしょう。100点満点の人事評価表で、誰がみても優秀な社員が30点ということは起こりえません。
ただ、本気で「教育」に活用するとなると、それなりに人事評価制度を作り込む必要があります。

  ① 求める人材像を人事評価表に表現する ... 教育を前提とした人事評価表・制度
  ② 被評価者の現状を正確に評価する ... 評価制度の浸透、評価者トレーニング
  ③ この2つのギャップを埋める教育施策を打つ ... OJT、Off-JT、配置、昇進・昇格など

これらを一体的にデザインすることが、「教育」を前提とした評価制度です。ただし、前提として「処遇の為の評価と、教育の為の評価は、観点が異なる」ことを認識しておく必要があります。
処遇の為の評価は、主に目に見える「成果」を評価しますが、教育の為の評価は、主に「成長」を評価する必要があります。「成果」と「成長」。まずは、この2つの違いについて考えてみます。

『成果』について、かけた時間や努力の量に正比例して成果が表れるなら良いのですが、現実はそうはいかず、一定の時間・努力を経た後に急に現れます。一般的に「ブレイクした」などと表現されますが、外部からみてそれと分かる程度に成果を上げるには、一定の下積み期間が必要です。
多くの人事評価においては「成果」のレベルで人を見ています。貴社の人事評価表は、これを測定するものではありませんか?

  (例) 営業職の評価項目 「企画力」 の5段階評価
       5点:非常に優れている 4点:優れている 3点:標準的である 2点:やや劣る 1点:劣る

このような評価項目において、上司は無意識に"成果性"を意識します。「最近、彼の営業現場は見ていないが、成績が良いという事はそれなりの企画が出来ているということだろう」という意識がどこかにあります。成績から逆算して点数をつけているのです(評価エラーのひとつ、「逆算化傾向」です)。
処遇の為であれば、問題はありません。逆に、営業成績が良い部下の「企画力」について、点数を低くつけるのは難しいでしょう。

ここで問題となるのは、成果が目に見えるまでの下積み期間について、その成長を評価してやれないことです。半年に1度の人事評価において、何回やっても点数が上がらないと、自分自身の成長に諦めを感じ、それに慣れ、次第に努力の量が少なくなっていきます(学習性無力感と言われます)。
よって重要となるのは、『成長』を評価できる人事評価表をつくることです。かけた時間や努力の量と、成果は正比例しませんが、成長は正比例します。それらについて、如何に評価すれば良いのでしょうか?

次回からは、この『成長』をベースに人事評価制度を考え、人材育成に活用していく手法について述べていきたいと思います。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。