中小企業の人事・労務を変える、「最新HRテック(HR Tech)」の活用法とは?

筆者の新刊書籍『これ1冊でわかる 中小企業のHRテック入門~わが社でもできる! 導入から運用まで~』がこの度発刊される運びとなりました。

 

『これ1冊でわかる 中小企業のHRテック入門~わが社でもできる! 導入から運用まで~』

 

書籍の発刊を記念し、今回のブログでは本書の概要について簡単に解説します。

 
第1章  中小企業が一からはじめる簡単HRテック入門

HRテック(HR Tech)とは、HRテクノロジー(HR Technology)の略語であり、簡単に言えば、企業の人事・労務関連業務をIT化する技術・サービスのことと理解してもらって構いません。人事管理システム、採用管理システム、労務管理システムなどと呼ばれることもあります。
 
コロナ禍以後に普及したリモートワーク・テレワークを支えるIT技術の多くがHRテックでも用いられており、AI(人工知能)・クラウド・RPA、あるいはビッグデータ、IoT、DXといった最新のテクノロジーも活用されています。これらの技術革新を背景に、中小企業の現場でも人事・労務の業務全体をHRテックによりIT化する動きが活発になってきています。HRテック関連のスタートアップ企業が数年で上場するなど市場全体が急拡大してきて、今後も加速度的に中小企業への普及が進むことが予想されています。
 
第1章では、こうした時代背景について触れつつ、HRテックの全体像について体系的に解説しています。HRテック業界全体の傾向を「HRテックカオスマップ(業界地図)」を基に理解いただくことができますし、特に中小企業で成功するための「HRテック5原則」といったノウハウについても紹介していますので、「HRテックって何?なぜ流行っているの?」という方はまずここから読み進めていただくとよいでしょう。

 
第2章~第4章 具体的なHRテックの活用法の紹介

第2章から第4章にかけては、HRテックの具体的な機能・サービスについて紹介しています。単なる理論・理屈の紹介ではなく、実在するHRテック企業、中でも中小企業での導入実績が豊富な代表的な企業のサービスについて扱っています。
筆者の所属企業(新経営サービス人事戦略研究所)自体がシステム開発の機能を有しているわけではありませんが、中小企業向けの人事コンサルティングを生業としていることから、HRテック企業との連携や、開発協力なども日々行っています。そうした立場から、本書でも徹底して使用者側企業の目線でサービスを選定しました。
 
第2章では「採用」、第3章では「定着・活用・労務」、第4章では「人事評価」を扱っており、ほぼすべての人事・労務領域をカバーしています。
リモート採用・AI面接、クラウド型人事評価、オンライン出退勤管理・給与計算の自動化、あるいはパルスサーベイなど、多くの方がテレビCMなどで一度は見聞きしたことがあるであろう最新のサービスについても紹介していますので、「HRテックで具体的にどんなことができるのか、メリット・デメリットは何か、コストは」といった実務ベースに関心が高い方は、関心事に沿って優先的に読み進めてもらうのもよいでしょう。中小企業がHRテックを選定する際の「7つの評価軸」といったノウハウについても解説していますので、まさにこれからHRテックの導入を開始しようとする企業の方々にもすぐに役立てていただくことが可能です。
 

第5章 無理なく始められる HRテックの段階的な導入・ 運用方法

第5章では、実際にHRテックを導入・運用するにあたっての企業側の実務について扱っています。本書のタイトルにもある通り、初めてHRテックに取り組む中小企業でも「これ1冊でわかる」ように、「導入から運用まで」の実務全てがカバーできることを意識して解説しています。
具体的には、社内でHRテックをどのように啓蒙していくかという「初期の初期」の段階から説明し、正式導入に向けたトライアル運用の実施方法、あるいはHRテック事業者との付き合い方(プレゼンの良し悪しの見極め方)に至るまで、とにかく実務レベルですぐに実践できる内容を盛り込みました。
 
 
HRテックに関する書籍は既に多くありますが、実務書のレベルで実践的に書かれた中小企業向けの入門書としては、おそらく初めてではないかと自負しています。

 
中小企業の現場でHRテックの活用を行っている人事担当者・システム管理者の方々はもとより、これからHRテックの導入を検討している経営者、あるいはHRテックのサービスを実際に展開している事業者の方々にも手に取っていただければ幸いです。

執筆者

森中 謙介 
(人事戦略研究所 マネージングコンサルタント)

人事制度構築・改善を中心にコンサルティングを行う。業種・業態ごとの実態に沿った制度設計はもちろんのこと、人材育成との効果的な連動、社員の高齢化への対応など、経営課題のトレンドに沿った最適な人事制度を日々提案し、実績を重ねている。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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