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日報を人事評価に活用する

2021年01月01日 カテゴリ:人事考課(人事評価)

執筆者:田中 宏明

人事戦略研究所 コンサルタント

前職のシンクタンクでは社員モチベーションの調査研究に従事。数多くのクライアントと接するなかで、社員の意識改善、さらには経営課題の解決において人事制度が果たす役割の重要性を実感し、新経営サービスに入社。 個人が持てる力を最大限発揮できる組織づくりに繋がる人事制度の策定・改善を支援している。

筆者がお会いする複数のお客様から、リモートワーク中のコミュニケーションや情報共有に向けて日報をはじめられたという話を伺いました。今回はその日報の、人事評価における意義と課題、そしてその解決方法についてお伝えします。

まず人事評価の大原則をおさらいすると、「評価期間中」の「事実」に基づき実施する、ということがあげられます。評価時期直近の出来事だけでなく、期初から評価期間内すべてを評価対象とし、評価期間外のことは考慮しない。そして評価者の行動や実績など具体的な事実を根拠とする。部下の不満や不信を回避し、評価の目的を果たすには、この2点を最低限守ることが重要です。

この点を踏まえると、日報は適切な人事評価を実施するうえでの強力なツールだといえます。というのは、期初から期末までにおける業務の細かな事実が、部下とのやりとりの記録として残るため、上記原則に沿った評価が容易になるからです。例えば筆者が聞いたケースでは、特にスタッフ部門など個人の実績が不明瞭な部署において、依頼事項や非定常業務等への対応を通じた貢献の度合いが日報によって明確となり、公平な評価が担保されているとのことでした。

ただし、日報を人事評価に活用するうえで気を付けるべきポイントが2点あります。1点目は日報の内容を評価の観点から上司が定期的にとりまとめる、ということです。期末の評価時になって、半年や1年分の日報を読み直すことはあまり現実的ではありません。労力を惜しんで、直近のもののみ参照したり、一部を拾い上げたりすることは、上記の原則に反することになってしまいます。それを防ぐには1か月、少なくとも2ヵ月ごとに記載の内容を振り返り、評価に重要なポイントを整理することが必要です。

気を付けるべき2点目のポイントは、日報に現れない事実を確認することです。新入社員など特別な場合を除き、業務を微に入り細に入り報告させることはあまり現実的ではありません。そうすると例えば営業場面における商品の知識・理解、あるいは顧客からの要望の聞き取り・確認の仕方といった業務の中での小さいけれども重要なプロセスは、日報からはわからない、といったことがあるかもしれません。日報を評価の根拠として活用しつつも、それだけに頼りすぎるのではなく、普段の行動観察や部下とのコミュニケーションも併用する姿勢が大事です。

運用の方法を注意すれば、日報は極めて有用なツールといえます。すでに日報を運用されている会社は評価への活用を、日報を導入されていない会社は導入の是非について、検討されてはいかがでしょうか。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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