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育児・介護休業法改正のおさらい(特に介護部分について)

2016年08月12日 カテゴリ:労務関連

執筆者:森中 謙介

人事戦略研究所 コンサルタント

大学院では会社法務・労働法務を中心とした法律学の研究に従事。新経営サービス入社後は、主に中堅・中小企業を対象とした人事評価・賃金制度構築のコンサルティングを行なう。労務管理の分野にも精通し、最近では「残業削減」をテーマにしたセミナーや雑誌記事の執筆「改正労基法への実務対応①~④(人事マネジメント誌)」など、精力的に活動している。

育児・介護休業法が改正されます(平成29年1月1日施行)。
各企業では社内規程の改定に向けて着々と準備を進めているところかと思います。そうなの?という方もいるかもしれませんので、改めて改正内容の確認をしておきましょう。今回は特に介護分野について紹介します。

まず、法改正の背景について。
「介護離職」という言葉を最近よく聞くようになりました。まだまだ数は多くないですが、企業訪問をしていても必ず話題に上るテーマです。
総務省統計局「平成24年就業構造基本調査」によれば、過去5年間(平成19年10月~平成24年9月)に介護・看護のために離職した人は約48.7万人、このうち現在働いていない人は約36.4万人。平成23年10月~平成24年9月の1年間の数値では介護離職者が約10.1万人、そのうち8割強が現在働いていない、と言う数値が出ています。

こうした現状を受け、政府は「介護離職ゼロに直結する緊急対策」として種々の取組みを進めています。今回の法改正もそうした背景からなされたものです。

次に、今回の法改正の内容について見ていきましょう。

①介護休業の分割取得
今回の目玉となる改正です。1回しか取得できない現行制度の内容について、使いにくいとの声が上がっていました。
  現   行:介護休業について、介護を必要とする家族(対象家族)1人につき、通算93日まで原則1回に限り取得可能
  改正内容:対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として、介護休業を分割して取得可能
93日という通算期間については現行制度通りとなりました。大手企業では休業期間を365日とするところもあるなど、独自の取組みが進んでいます。

②介護休暇の取得単位の柔軟化
  現   行:介護休暇について1日単位での取得
  改正内容:半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得が可能

③介護のための所定労働時間の短縮措置等
  現   行:介護のための所定労働時間の短縮措置(選択的措置義務)について、介護休業と通算して93日の範囲内
         で取得可能
  改正内容:介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能

④介護のための所定外労働の制限(残業の免除)
  現   行:なし
  改正内容:介護のための所定外労働の制限(残業の免除)について、対象家族1人につき、介護終了まで利用できる
         所定外労働の制限を新設

以上です。また、介護休業給付金の引上げもされることになりました。休業開始前賃金の給付割合について、現行の40%(介護休業開始が平成28年7月以前の場合)から、改正後は67%(介護休業開始が平成28年8月以降の場合)に引き上げられます。

法改正を受けて、今後本格的に介護休業・休暇、時短勤務等を希望する社員が増えてくることも予想されます。各企業では法改正に対応していくため、今まで以上に社内の環境整備が必要になりますが、思ったほど簡単ではありません。対象者が出てきた時のために今からガイドラインを整備するなど、準備をしておくことが求められます。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。