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運輸業・物流業の人事制度 構築・改定

 これまで物流業は経済の発展とともに大きく飛躍し、世界屈指の企業が数多くでてきました。また、他業種でも物流機能を持つ企業が増え、多くの企業・消費者にとっても欠く事のできない存在となり、流通の中の重要な機能となっています。しかし一方では、サービス・品質の向上を求められ、一方では価格の値下げ、原油価格の高騰、人材不足等、物流業を取り巻く環境は、特に厳しくなってきています。
 この厳しい経営環境を打破するために、物流業各社の取り組むべき課題は少なくはありません。コスト削減、業務の効率化、品質の向上、システムの構築等、さらに最近では業務形態の多様化による請負業務・派遣業務等、これらに従事する社員の処遇及び育成は、今、企業が取り組むべき最重要課題です。

【人事制度策定のステップ】

人事制度を策定する際には、以下のようなステップで作成します。①総額人件費、賃金水準などの客観的データとの比較分析、②経営陣への方針確認、ヒアリング、③社員への意識調査、ヒアリングなどを行い、人事制度全体の課題を整理するところからスタートします。

Step1
現状把握

・定量分析
・定性分析
 

Step2
人事制度方針

・キャリアパス
・評価方針
・賃金方針

Step3
等級・役職制度

・等級フレーム
・役職区分
・等級基準

Step4
評価制度

・業績評価
・プロセス評価
・評価ルール

Step5
賃金制度

・給与制度
・賞与制度
・各種手当

Step6
移行措置

・運用ルール
・賃金シミュレーション
・社員説明会

ポイント①【評価制度の設計】

1.職位別評価の方法

 評価項目としては、仕事の成果を評価する『成果・業績評価』と、仕事に対する姿勢や能力およびプロセス、能力などを評価する『職務・プロセス評価』があります。成果・業績評価では、重点テーマ目標達成率、コスト削減率、在庫精度向上などの『仕事の結果』を評価します。また職務・プロセス評価では、保有する技術や技能、知識、また、仕事に対する取り組みなどの『仕事のプロセス』を評価します。
 当然ではありますが、部長、課長のような管理職と、新入社員はじめ、入社年数の浅い社員とでは求められる結果や行動は違ってきます。部長、課長クラスの管理職には、仕事の結果である、『成果・業績』のウェイトが大きくなり、求める成果・業績には責任も伴ってきます。一方入社年数や経験年数の浅い社員や新人社員には、仕事に対する意欲や取組み姿勢にウェイトを置くことになるでしょう。このように、評価制度を考える場合には、職位別に考えていくことが必要になります。

ポイント②【賃金制度の設計】

 これまでの日本企業は、終身雇用を前提に、年齢や勤続年数などの年功的要素や、扶養家族・住居といった属人的要素を考慮した賃金制度が一般的でしたが、最近ではこれらの要素を排除するケースも多く見られるようになってきました。各企業の従業員に対する処遇方針の変化の表れでもあります。個人の会社への貢献度や能力に応じた処遇体系によって、適正な賃金支給の実現を図るとともに、企業体質変革への取組みとも言えます。ただし、これらの属人的要素は全く否定するべきものでもありません。チームとしての作業が多い職種や、経験年数と技術習熟度が比例する職種などは、勤続給や年齢給を活用して、個人の成長に合わせた処遇体系が実用的といえるでしょう。
 中でも、物流業では乗務員(ドライバー)の賃金体系をいかに効果的に設計できるかが重要なポイントであり、乗務員の人材不足が深刻であることとも相まって、各社とも知恵を絞っています。
 以下は、乗務員の賃金制度設計の一例です。(1)の区分は一般的な企業でもよく用いられる体系ですが、(2)の業績給などは乗務員固有の仕組みです。運転業務に対するコストパフォーマンスを定量的に評価し、ダイレクトに給与と連動させることで、優秀な社員のモチベーションアップに繋げる狙いがあります。

乗務員の
賃金制度例
(1)年齢給、勤続給、経験給、能力給(職種別)
(2)業績給(使用燃料費/走行距離)×○○円
   時間外手当
   無事故手当(*)
   *車両事故:修繕費×○○%=自己負担

【対象業種】

運輸業、物流業、自動車運送業、集配利用運送業、倉庫業、港湾運送業、宅配業 など

物流業のための人事制度のつくり方&事例

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1.物流業の人事評価制度
2.若手社員に対する人事評価制度
3.中堅社員に対する人事評価制度
4.管理職に対する人事評価制度
5.物流業の給与制度・賞与制度
6.若手社員、中堅社員の給与制度・賞与制度
7.管理職、経営幹部の給与制度・賞与制度
8.乗務員(ドライバー)の給与制度・賞与制度
9.人事評価の人材育成への活用
  • 人事評価表は、可能な限り職種別(ドライバー、倉庫スタッフ、管理スタッフ等)に作成します。具体的には・・・
  • ドライバーの給与制度・賞与制度については特別に、他の部門・職種とは異なった形で設計することが多くあります。具体的には・・・

運輸・物流業向けの人事制度に関する書籍があります。

著者:株式会社新経営サービス 人事戦略研究所 山口俊一
出版社:中央経済社 定価:2,200円(税別)

本書では、人事制度全般の構築・見直しを行う際の基本的な手順やポイントをわかりやすくまとめると同時に、職種ごとの人事評価シートや等級基準書など、運輸・物流業の特徴を踏まえた人事制度の具体例を紹介します。

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